ソニー、世界初の積層型CMOSイメージセンサーを商品化

2012年8月20日 16:33

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写真上段 イメージングモジュール(左から)『IU135F3-Z』『IU134F9-Z』『IUS014F-Z』 写真下段 積層型CMOSイメージセンサー“Exmor RS”(左から)『IMX135』『IMX134』『ISX014』(画像:ソニー)

写真上段 イメージングモジュール(左から)『IU135F3-Z』『IU134F9-Z』『IUS014F-Z』 写真下段 積層型CMOSイメージセンサー“Exmor RS”(左から)『IMX135』『IMX134』『ISX014』(画像:ソニー)[写真拡大]

  • 従来の裏面照射型CMOSイメージセンサーの構造図(左)と積層型CMOSイメージセンサー“Exmor RS”の構造図(右)(画像:ソニー)

 ソニーは20日、世界初となる、独自の「積層型構造」を採用した新開発のCMOSイメージセンサー「Exmor RS(エクスモア アールエス)」を商品化し、10月から順次出荷を開始すると発表した。スマートフォンやタブレットなどに向けてさらなる高画質化・高機能化・小型化を実現する積層型CMOSイメージセンサー“Exmor RS”3モデル、及び各イメージセンサーを採用したイメージングモジュール3モデルを展開する。ソニーはデジタルイメージング商品を進化させ、より使いやすく撮影の楽しみ方を広げる中核技術、デバイスである積層型CMOSイメージセンサー“Exmor RS”の技術開発と商品構成の拡充を、今後積極的に推進していく。

 “Exmor RS”は、裏面照射型CMOSイメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた、独自の「積層型構造」を採用したCMOSイメージセンサー。

 今回商品化する“Exmor RS”の3モデルは、従来のRGB(赤/緑/青)画素にW(白)画素を加え、独自のデバイス技術と信号処理により画質を損ねることなく感度を上げたことで、暗い部屋や夜でもきれいに撮影できる「RGBWコーディング」機能と、撮影時に同一画面内で2種類の露出条件を設定、そこで得た画像に適切な信号処理をすることでダイナミックレンジの広い画像を生成し、逆光でも色鮮やかに撮影できる「HDR(ハイダイナミックレンジ)ムービー」機能を搭載した、1/3.06型有効1313万画素の『IMX135』、 1/4型有効808万画素の『IMX134』、及びカメラ信号処理機能を内蔵した1/4型有効808万画素の『ISX014』。「積層型構造」の採用により、これら高画質化・高機能化に加えて小型化を両立した。

 また、それぞれのイメージセンサーに、オートフォーカス機構付レンズユニットを搭載した小型オートフォーカス・イメージングモジュール『IU135F3-Z』『IU134F9-Z』、『IUS014F-Z』を商品化する。これら3モデルのイメージングモジュールは、業界最小1.12μm単位画素に最適化した新設計のレンズを採用することで高解像度を実現している。『IU135F3-Z』は、F2.2の明るい高解像度レンズを採用したオートフォーカス・イメージングモジュール。『IU134F9-Z』は、薄型・小型化(W:8.5×D:8.5×H:4.2mm)を実現している。『IUS014F-Z』は、イメージセンサーにカメラ信号処理機能を搭載し、オートフォーカスおよび画質の調整機能を内蔵したオールインワン・タイプのイメージングモジュール。

 今後ソニーは、積層型CMOSイメージセンサー“Exmor RS”の開発を積極的に進め、表示画面の大型化によってイメージングモジュールの組み込みスペースが限られるスマートフォンなどに向け、「積層型構造」の特長を生かした、高画質化・高機能化・小型化を実現するイメージングモジュールの商品化を目指し、商品構成を拡充しながら顧客の要望に一層応えていく。

 また、ソニーは、スマートフォンやタブレットなどの需要が急拡大するモバイル機器市場において、高機能化と小型化の両立を実現する積層型CMOSイメージセンサーの供給体制を強化することで、CMOSイメージセンサーのリーディングポジションを確固たるものとし、業界を牽引していく。

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