【話題】気象庁の「エルニーニョ」発表で早くも「暖冬関連」がテーマに

2012年8月14日 13:00

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  気象庁は10日「異常気象の原因とされるエルニーニョ現象が約2年ぶりに発生したとみられる」と発表した。そして「今回のエルニーニョ現象は今冬まで持続しそうで、東日本以南では暖冬になる可能性が高い」としている。

  気象庁によるとエルニーニョ現象というのは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象としている。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続くのはラニーニャ現象と呼ばれている。そしてエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、世界中で異常な天候が起こると考えられている。

  気象庁は7月10日の時点で「エルニーニョ現象が今夏の間に発生する可能性が高い」との見通しを示している。そして米国中西部を襲った約半世紀ぶりの大干ばつや、ロシアの干ばつ、ブラジルの多雨なども、エルニーニョ現象の影響の可能性が指摘されている。

  日本付近に関して見ると、エルニーニョ現象が発生すると冷夏や暖冬、ラニーニャ現象が発生すると猛暑や厳冬になることが多いとされている。エルニーニョ現象が前回発生した09年12月~10年2月にかけての3カ月平均気温は、平年に比べて東日本で0.6度、西日本で0.7度高かったようだ。

  農産物の生育や収穫への影響だけでなく、天候が個人消費に与える影響を警戒する必要もあるだろう。コートなどの冬物衣料はもちろん、ブーツ、暖房器具、暖房グッズ、灯油、ガス、鍋料理、除雪関連器具、スノータイヤ、自動車用バッテリーなどの冬物商品については、昨年の冬はラニーニャ現象の影響で厳冬となった恩恵を受けた。しかし、今年の冬がエルニーニョ現象の影響で暖冬になれば、一転してマイナスの影響を受けかねず、逆風となる可能性があるだろう。

  逆に飲料関連や屋外レジャー関連など、暖冬でメリットを受けるセクター・銘柄探しが活発になりそうだ。さらに先を見れば、暖冬明けの来年の春は春物商品が早めに動きだすことになるだろう。ロンドン五輪が閉会し、8月も中旬に入った。残暑は厳しいようだが、株式市場では早くも秋から冬にかけてのテーマ探しが始まりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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