中部電力、浜岡原発の津波対策工事の工期を1年程度延長

2012年7月30日 16:54

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 中部電力は30日、昨年7月に策定した浜岡原子力発電所の津波対策について、2012年12月の工事完了を目標に進めてきたが、2012年3月に見直しを公表した対策の一部(「緊急時対策の強化」の電源設備対策)において、工事量が大幅に増加したことに伴う作業の輻輳(ふくそう)等により、1年程度の工期延長が必要となったと発表した。

 中部電は、東京電力福島第一原子力発電所の事故等から得られた知見を踏まえ、安全性を一層高める観点から、「緊急時対策の強化」の電源設備対策を強化することとしている。具体的には、緊急時に原子炉や使用済燃料プールの「冷やす」機能をより確実に確保できるよう、高台に設置するガスタービン発電機(非常用交流電源装置)から電源供給する冷却設備の多重化を図ることとし、それら冷却設備の運転に必要な電気容量を確保するため、ガスタービン発電機の台数およびケーブル・電源盤等を増加した。

 しかし今回、見直しを行った対策の工事発注にあたり現場工事の詳細計画を検討していく中で、工事量の大幅な増加に伴う作業の輻輳等により、1年程度の工期延長が必要となったという。

 なお、「防波壁」をはじめとする『浸水防止対策1』、および『浸水防止対策2』のうち「建屋外壁の防水構造扉の信頼性強化」については、当初予定どおりの工程で進捗しているとしている。

 また、内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」においては、南海トラフ沿いの巨大地震による震度分布や津波高等の推計について、今年3月に第一次報告を公表し、今後8月下旬には追加検討の結果を公表するとしているが、中部電は、これら推計に関するデータ提供を受けた上でその内容を確認し、浜岡原発において想定すべき地震動および津波について検討を行い、同発電所への影響に関する評価を12月を目途に進めていく方針。

 さらに、2012年3月原子力安全・保安院公表の「福島第一原子力発電所事故の技術的知見について(取りまとめ)」およびこれまで公表された福島第一原発事故調査報告書に関しても、その内容を確認、検討しているところだという。

 中部電は、「これらの評価・検討を踏まえて、浜岡原子力発電所における地震および津波に対する安全対策等について、さらなる見直しや追加対策の必要性を検討していく」としており、場合によっては、今後さらに津波対策工事の工期が延長される可能性もある。

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