【銘柄診断】宇部興産はカプロラクタムの低調を織込む、決算発表で風向き変化も

2012年7月26日 16:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  宇部興産 <4208> はここへきて安値更新の低調な相場が続いている。7月24日には157円と6月4日の安値158円を下回り、新たな下降トレンドに発展しかねない足取りだ。

  建設資材部門では東北での復興需要の本格化に加え、老朽施設の耐震改修や津波対策など防災関連工事の需要が全国的に拡大し、セメントや生コンの販売が伸びており、ここ堅調な動きを見せる復興関連株として見直されていい業態だ。

  株価の足かせとなっているのがナイロンの原料で繊維製品やタイヤの補強材などに使う「カプロラクタム」。中東情勢の不安定化で主原材料であるベンゼンの価格が上昇し、製品と原材料価格のスプレッドが縮小傾向にあることがマイナス材料となっている。

  会社側では「カプロラクタム」の6月のアジア向け契約価格が前月比210ドル安い1トン=2430ドルで決着したことを明らかにした。2500ドルを割り込むのは2010年7月以来、約2年ぶり。ただ、建設資材や自動車向け部品の拡大などでカバーして今2013年3月期は営業利益470億円と前期比2%の増益が見込まれている。

  株価はこれまで「カプロラクタム」の低迷という悪材料を一方的に織込んできただけに、8月1日の決算発表で増益見通しが明らかになるようだと、風向きが変わりそう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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