海中への鉄分投入で藻を増やす手法、温暖化防止の効果やいかに?

2012年7月23日 12:50

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記事提供元:スラド

 taraiok 曰く、

 大気中から過剰な CO2 を取り除けば地球温暖化の進行を遅らせることができる。その手法の一つとして、海に鉄分を投入して植物プランクトンの増殖させ、植物プランクトンに CO2 を吸収させる実験が行われてきたが (DOI: 10.1126/science.1131669) 、その結果が発表されて手法の有用性が検討されている (Nature News & Comment の記事ナショナルジオグラフィックの記事本家 /. 記事doi:10.1038/nature11229 より) 。

 鉄分が投入された海域で増殖したプランクトンは CO2 をより多く吸収する。しかし増殖の結果、海洋生物に悪影響を及ぼす酸素欠乏状態を引き起こしたり、一部の生物に有害なタイプのプランクトンが増殖する危険性が指摘されていた。しかし、南極海に硫酸鉄 7 トンを投入した実験では発生したプランクトンの 50 % 以上が海底に沈んで堆積物に埋もれることが分かり、危険性の指摘は根拠が脆弱であることが示された。

 しかしながら研究グループ曰く、かなり楽観的な想定に基づいたモデルでも現代の CO2 排出量の 10 % ほどしか回収できる見込みがないため、CO2 問題解決のための決定打とはなり得ない、とのこと。

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