日銀、追加金融緩和を見送り 金利も現状維持

2012年7月12日 18:48

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 日本銀行は12日、金融政策決定会合において、政策金利の現状維持を全員一致で決定した。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。

 日銀は、海外経済について、「緩やかながら改善の動きもみられているが、全体としてなお減速した状態から脱していない。国際金融資本市場では、欧州債務問題を巡る懸念等から、神経質な動きが続いており、当面十分注意してみていく必要がある」とした。

 国内の景気については、「復興関連需要などから国内需要が堅調に推移するもとで、緩やかに持ち直しつつある」とした。具体的には、「公共投資は増加を続けている。設備投資は、企業収益が改善するもとで、緩やかな増加基調にある。また、個人消費は、消費者マインドの改善傾向に加え、自動車に対する需要刺激策の効果もあって、緩やかな増加を続けているほか、住宅投資も持ち直し傾向にある。輸出にも、持ち直しの動きがみられている」とした。

 国内経済の先行きについては、「国内需要が引き続き堅調に推移し、海外経済が減速した状態から脱していくにつれて、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる」とした。

 景気のリスク要因については、「欧州債務問題の今後の展開、米国経済の回復力、新興国・資源国の物価安定と成長の両立の可能性など、世界経済を巡る不確実性が引き続き大きい」とした。物価面では、「国際商品市況や中長期的な予想物価上昇率の動向などを、注視する必要がある」としている。

 また、追加の金融緩和は見送った。なお、「このところ、固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション等において応札額が未達となるケースがみられている」とし、日銀は、資産買入等の基金の着実な積み上げを通じて金融緩和を間断なく進めていく観点から、「固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションを5兆円程度減額し、短期国債買入れを5兆円程度増額する」こと、「短期国債の買入れをより確実に行うため、当該買入れにおける入札下限金利(現在、年0.1%)を撤廃する。CPの買入れについても同様とする」こと、および「固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションについて、金融機関の資金需要に柔軟に対応するため、『期間3か月』と『期間6か月』の区分をなくし、『期間6か月以下』とする」ことを決めた。

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