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<米国>6月のISM景況感指数:手詰まり感漂うアメリカ経済
7月2日に米国サプライマネジメント協会から発表された6月の「ISM製造業景況感指数(※1下部に説明あり)」。総合指数は前月より-3.8ポイントで49.7になりました。内訳を詳しく見ると、新規受注指数は前月より-12.3ポイントで47.8、生産指数は-4.6ポイントで51.0、雇用指数は-0.3ポイントで56.6となりました。また、今回の総合指数の市場予想は52.0でしたが、2.3ポイント下回る結果となりました。
続いて、3日に同協会から発表された「ISM非製造業景況感指数(※2下部に説明あり)」。総合指数は前月より-1.6ポイントで52.1になりました。内訳を詳しく見ると、事業活動指数は前月より-3.9ポイントで51.7、新規受注指数は-2.2ポイントで53.3、雇用指数は+1.5ポイントで52.3となりました。また、今回の総合指数の市場予想は53.0でしたが、0.9ポイント下回る結果となりました。
製造業の新規受注の落ち込みが目立ちますね。6月中頃にはギリシャ選挙、G20、バーナンキFRB議長会見、ユーロ圏・EU財務相会合と立て続けに世界経済の先行きを占うビッグイベントがありましたが、いずれにおいても見通しが明るくなるような結果を得られませんでした。しかし、6月末にかけて行われたEU首脳会議で、ESMが各国政府を経由せずに直接銀行に資本を注入できるようにする合意が得られ、一筋の光明が見えました。この件が具体的になれば、とりあえず相場は反発しそうですが、実体経済にお金が流れるわけではないので、欧州経済が実際に上向くにはまだ時間がかかりそうです。この手詰まり感を突き破るとするならQE3の発動くらいでしょうか。
※1製造業約350社に1カ月前と比較して景気(生産・新規受注・雇用状況などなど)が「良い」「変わらず」「悪い」の3択で答えてもらい、これを基に指数を算出。50を下回ると景気後退、50を上回ると景気拡大の状態と考えられる。
※2非製造業約370社に1カ月前と比較して景気(事業活動、新規受注、雇用状況など)が「良い」「変わらず」「悪い」の3択で答えてもらい、これを基に指数を算出。50を下回ると景気後退、50を上回ると景気拡大の状態と考えられる。米経済の約9割を非製造業が占めています。
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