世界の主要経済指標(分析と市場の反応)6月26日分

2012年6月27日 10:22

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【6月26日の主要経済指標と市場の反応】

■アジア株と欧州株は小動きで高安まちまち

  26日の日本株式市場は下落した。為替が円高方向に傾いたことが弱材料視された。アジアの主要株式市場はやや手掛かり材料難で、高安まちまちの展開だった。

  欧州株式市場は様子見ムードが強く、小動きで高安まちまちだった。スペイン短期債入札で落札利回りが急上昇したため、外国為替市場ではユーロ売りが加速する場面があった。

  米国株式市場は上昇した。主要経済指標では強弱材料が交錯したが、前日の大幅下落の反動もあり、買い戻しがやや優勢になった。外国為替市場はモミ合う展開だった。

■米国株は前日の反動で小幅上昇、為替は円買い一巡後モミ合い展開

≪26日 日本≫

  5月企業向けサービス価格指数(2005年=100)は96.1となり、前年同月比0.1%上昇、前月比0.4%下落した。前年同月比では東日本大震災後の下落の反動などで2カ月連続の上昇だったが、市場は反応薄だった。

  日本株式市場は下落した。前日の欧米株式市場が大幅下落したことや、為替が円高方向に傾いたことを嫌気した。消費税法案可決に対する反応は限定的だった。

≪26日 アジア・オセアニア≫

  アジアの主要株式市場は高安まちまちの展開だった。香港、インドネシア、インドは上昇したが、上海、韓国、台湾、シンガポールは下落した。やや手掛かり材料難となった。

≪26日 ユーロ圏≫

  格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは25日、スペインの銀行28行の格付け引き下げを発表した。

  独7月GFK消費者信頼感指数は5.8となった。6月改定値の5.7を上回り、市場予想も上回った。所得見通しは改善したが、景気循環見通しは悪化した。

  スペイン短期債入札で落札利回りが前回入札時の約3倍に急上昇したため警戒感が強まり、外国為替市場でユーロ売りが優勢になった。ユーロ共同債に関してメルケル独首相の「私が生きている限り債務の共有はない」と否定的な発言が伝わったこともユーロ売りにつながった。欧州株式市場は28日~29日のEU首脳会議を控えて様子見ムードが強く、小動きで高安まちまちだった。

  EUのファンロンパイ大統領は、28日~29日のEU首脳会議に向けて、中期的には共同債を発行するユーロ圏財務省を視野に入れた財政および銀行の統合強化に関する報告書を発表した。欧州委員会のバローゾ委員長、ユーロ圏財務相会合のユンケル議長、ECBのドラギ総裁と協力して作成した。

  ユーロ圏当局者は26日、ユーロ圏財務相が27日に電話会議を開き、キプロスの緊急融資要請およびスペインの銀行セクターへの支援要請への詳細について協議することを明らかにした。

≪26日 米国≫

  米4月S&Pケース・シラー住宅価格指数は135.8、前年同月比1.9%下落となった。3月の134.08(134.1から修正)、前年同月比2.6%下落に比べて改善し、市場予想も上回った。前月比では0.7%上昇となり、3カ月連続の前月比上昇となった。

  米5月住宅着工許可件数(季節調整後)改定値は年率換算78.4万戸、前月比8.4%増加となり、速報値の年率換算78.0万戸、前月比7.9%増加から上方修正された。

  米6月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)は62.0となった。5月改定値の64.4(64.9から下方修正)に比べて悪化し、市場予想も下回った。4カ月連続で前月比低下となった。

  米国株式市場は上昇した。主要経済指標では米4月S&Pケース・シラー住宅価格指数が改善、米6月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が悪化と強弱材料が交錯した。28日~29日のEU首脳会議を控えて様子見ムードも強い中、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによるスペインの銀行28行の格付け引き下げも弱材料として引きずった。ただし前日の大幅下落の反動で終盤は買い戻しが優勢になった。外国為替市場でドル・円相場はモミ合う展開だった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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