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ソニーと住友電工、世界初の高出力純緑色半導体レーザーを開発
純緑色半導体レーザー発振の様子(画像:ソニー)[写真拡大]
住友電気工業とソニーは21日、レーザープロジェクターなどの映像表示デバイスに応用できる、発振波長530nm帯で100mW以上の光出力を有する純緑色半導体レーザーの開発に、世界で初めて成功したと発表した。
今回開発した純緑色半導体レーザーは、従来の窒化ガリウム系緑色レーザーと比べて、約2倍の高輝度を実現。高輝度化と広色域化を実現したことで、鮮やかで美しい映像を描き出すレーザープロジェクターなどの映像表示デバイスへの搭載が期待されるという。
現在、光の三原色(赤・緑・青)の光源として、赤色と青色の半導体レーザーは量産化されているが、今後はレーザープロジェクターなどの映像表示デバイスの高性能化に向けて、高出力の緑色半導体レーザーの開発が期待されている。現在、緑色については、赤外光を光学素子により波長変換したレーザーが主に用いられているが、光源が大型かつ高価であるという課題があった。また、従来の窒化ガリウム系材料を用いた緑色レーザーは、発振波長が520nm以下で光出力も数十mW以下に限定されているため、充分な輝度が確保できなかった。
住友電工とソニーは、純緑色の半導体レーザーを実用化するために、住友電工がこれまで開発してきた半極性窒化ガリウム基板と結晶成長・加工技術、ソニーがブルーレイなどで培った窒化ガリウム系レーザー技術を生かして共同開発を進めてきた。両社で構造設計、結晶成長、加工、電極など半導体レーザーに関わる全てのプロセスに新規技術導入ならびに技術改良を加えた結果、発振波長530nm帯で100mW以上の光出力を有する純緑色半導体レーザーの開発に成功。今回開発した純緑色半導体レーザーは、光電変換効率8%以上を実現し、高信頼性を確保している。
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