4月の雇用統計:欧州債務危機再燃で市場の感度が高まっている

2012年6月4日 13:55

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記事提供元:ライフパートナーズ

 6月1日に米労働省から発表された4月の「失業率(※下部に説明あり)」は、前月より+0.1%で8.2%となりました。民間部門の雇用者は8.2万人増で1億1,104万人となりました。なお、今回の市場予想は16.4万人増でしたが、8.2万人下回る結果となりました。

 業種別に雇用状況を見てみると、林業・鉱業が+0.1万人で83.8万人、建設業が-2.8万人で551.6万人、製造業が+1.2万人で1,195.3万人、卸売業が+1.6万人で562.3万人、小売業が+0.2万人で1,475.6万人、運輸・倉庫業が+3.6万人で437.8万人、情報業が-0.2万人で262.8万人、金融業が+0.3万人で772.4万人、専門業(管理・サポート・派遣・廃棄物サービスなど)が-0.1万人で1,781.5万人、教育・医療業が+4.6万人で2,030.7万人、レジャー・宿泊・食事業が-0.9万人で1,357.6万人、政府関連職が-1.3万人で2,196.9万人となりました。

 今回の雇用統計の結果を受け、NY市場と日経平均先物市場が大幅下落しました。しかし、この内容を見る限り雇用自体は増えていますので、個人的にはそれほど強く売られるような理由ではないと感じました。とりあえず予想を下回ったので、機関が強制的に売らなければならなかったのでしょうか。欧州債務危機が再び沈静化するまで、悪材料に敏感に反応する状態が続きそうです。

 ※満15歳以上で働く意志を持つ人たちの中で、実際に職に就けていない人たちの割合。失業率が高くなれば、それだけ多くの人が給与をもらえなくなるわけですから、全体の買い物金額は小さくなります。モノが買われなくなると企業の業績は下向きになり、その結果、給与や賞与が減り、さらにモノが買われなくなります。つまり、失業率が悪化するということは、それだけ景気を押し下げる圧力が大きくなることを意味します。

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