【特集:クールビズ関連銘柄(1)】盛り上がるクールビズ関連商戦

2012年6月3日 21:56

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

全国的な電力不足の中で、節電の夏を迎えた。今年のクールビズ運動が昨年と同様に通常より1カ月前倒しして、5月1日に始まった(終了も昨年と同様に1カ月延長して10月31日)こともあり・・・。

全国的な電力不足の中で、節電の夏を迎えた。今年のクールビズ運動が昨年と同様に通常より1カ月前倒しして、5月1日に始まった(終了も昨年と同様に1カ月延長して10月31日)こともあり・・・。[写真拡大]

■節電の夏を迎えてクールビズ本番

  全国的な電力不足の中で、節電の夏を迎えた。今年のクールビズ運動が昨年と同様に通常より1カ月前倒しして、5月1日に始まった(終了も昨年と同様に1カ月延長して10月31日)こともあり、クールビズ関連商戦は早くも盛り上がりを見せている模様だ。

  さらに今後、蒸し暑い梅雨の時期が接近する。そして節電の夏を迎えて、クールビズ関連商戦も本番を迎える。

  クールビズ運動は、すでに企業や消費者の間に浸透し、定着した感も強い。そしてクールビズ関連商品としては、通気性、除湿性、冷感性などの機能を強化したスーツやジャケットなどのビジネス用途にとどまらず、熱中症対策なども含めて、スポーツ用途やレジャー用途、さらには靴、汗ふきシート、涼感化粧品などの分野にも広がりを見せている。

  また昨年の夏は、ポロシャツ、アロハシャツ、サンダルなど「スーパークールビズ」と呼ばれるカジュアルな軽装が注目されたが、今年の夏の特徴としては単なる軽装ではなく、紳士服や婦人服の分野で、スーツやジャケットなどを着るスタイルが見直されている模様である。

  こうした今夏の状況も背景として、青山商事 <8219> などの紳士服専門店チェーンや、三越伊勢丹ホールディングス <3099> などの百貨店では、紳士用、婦人用ともに、通気性、除湿性、冷感性、はっ水性、ストレッチ性などの面で一段と機能性を高めて、スーツやジャケットなどの分野でクールビズ対応の品揃えを強化している。

  またカジュアル衣料専門店でも、ファーストリテイリング <9983> のユニクロでは、今夏のクールビズ関連商品を、女性向けを中心に商品数で前年比2倍強の150品目に拡充する模様だ。

  さらに、首もとを冷やすスカーフ状のネッククーラー、シャツの襟裏に装着して首もとを冷やすクールビズバンドなど、外出先で体を冷やせるモバイルクール商品の売上も好調な模様である。

  日本百貨店協会によると、12年4月の全国百貨店売上高は4799億円となり、店舗調整後で前年同月比1.3%増加した。2カ月連続の増加だった。前年の東日本大震災の影響に対する反動増に加えて、4月中旬以降の気温上昇に伴って春物ファッション商材が好調だった。さらに、夏場の電力不足に対する節電意識の高まりで、クールビズ関連商品も売上を牽引したとしている。

  商品別に見ると、紳士服・洋品が同6.7%増加、婦人服・洋品が同3.2%増加となり、子供服なども含めた衣料品全体では同2.7%増加した。また外国人観光客の増加などで、美術・宝飾・貴金属が同7.7%増加したことも寄与したとしている。

  地区別に見ると東京地区が同6.7%増加した。そして東京地区の紳士服・洋品は同16.4%増加、婦人服・洋品は同7.3%増加、美術・宝飾・貴金属は同12.3%増加した。

  アパレル関連のセクター・銘柄では、クールビズ効果による各社の収益への寄与が期待されるだけに、今夏の話題はクールビズ一色になりそうだ。

  ただし昨年は8月の気温が平年並みとなり、一昨年ほど暑くなかったことでクールビズ商戦が失速感を強めた。

  今年も天候や気温の影響を受ける可能性が大きく、個別企業ごとの商品力や販売力などが収益に影響を与える可能性もあるだろう。さらに天候や気温の影響などでクールビズ商戦が失速感を強めた場合には、値下げ競争や在庫処分などが収益へのマイナス懸念要因となるだけに、各社の月次動向に注意しておきたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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