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[仕事術]超マルチ人間はいる?いない?
過去の調査によると、マルチタスク(複数のことを同時にすること)はまったく不可能だとされています。あることをしては違うことをし、また前にしていたことに戻ってするというような状態のときには、あまり生産的な活動はできません。生産性が低下しているときに質を落とすことなくいくつかの仕事をして回ることは、人間の頭ではできないのです。このことは、自らのことをマルチタスクが得意だと見なしている多くの人に、注意を促しています。
しかしながら、例外のある可能性が出てきました。人口の約2.5%は、作業の能率を下げることなく複数のことを同時にしている可能性が実際にあるようなのです。このことは、Psychonomic Bulletin and Review 誌(2010年5月)で報告されています。
この調査では、大学生を対象に、数学と記憶のテストと模擬運転テストが行われました。学生たちは、まずそれぞれのテストを別々に受け、次いで二つのテストを同時に受けました。
ほとんどの学生は、二つ同時にやろうとしていたときのほうがブレーキをかけるのに時間がかかり、テストの点も下がりました。ところが、テストを受けた200人のうちの5人は、運転もきちんとでき、テストの点も下がることなく、やり終えることができました。研究者らは彼らのことを超マルチ人間(supertaskers.)と呼んでいます。
自分もその希少な超マルチ人間の一人だという結論に飛びつく前に、これは実験のために作られた状況で行われたことだということに留意してください。また、年齢による違いは検証されていません。
個人的には超マルチ人間については懐疑的です。調査結果はいまだ決定的なものではありません。この概念についてさらに研究が行われるのなら、それを見ていくのは興味深いことでしょう。
それまでの間、自らを即、超マルチ人間のグループに位置づける代わりに、圧倒的大多数の人は、上記の調査において、作業の能率に影響を来すことなく複数のことを同時に行うことはできなかったという事実にもっと注目してみるべきでしょう。
※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。
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