ドーンは高値水準でもみ合いも5営業日連続ストップ高の不思議=浅妻昭治

2012年5月25日 10:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

ドーン<2303>(JQS)は25日、9700円高の7万1700円まで上げて8営業日続伸、連日の年初来高値更新となったあと、5500円安と売られるなど前日の終値を挟みもみ合いを続けている。

ドーン<2303>(JQS)は25日、9700円高の7万1700円まで上げて8営業日続伸、連日の年初来高値更新となったあと、5500円安と売られるなど前日の終値を挟みもみ合いを続けている。[写真拡大]

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  ドーン <2303> (JQS)は25日、9700円高の7万1700円まで上げて8営業日続伸、連日の年初来高値更新となったあと、5500円安と売られるなど前日の終値を挟みもみ合いを続けている。

  来週週明けの28日に迫った株式分割の権利付き最終日を前に権利取りの動きと利益確定売りが交錯しているものだが、それにしても同社株の急騰振りには市場関係者は、首を捻るばかりである。

  今年5月18日以来、5営業日連続でストップ高を演じ、この間の上昇幅は実に3万6000円、わずか5日間で2.3倍の大化けとなった。分割権利取りだけでこれだけ急騰をすることはまず想定できず、これ以外の買い材料があるかといえば見当たらないからだ。

  確かにPBRは0.4倍と割り負けてはいるが、業績実態面では、今5月期業績は、今年1月、4月と2回下方修正されて、純利益は6200万円の赤字(前期は1200万円の黒字)と水面下に落ち込み、配当は、年間250円(前期実績1000円)と減配幅を悪化させるのである。とても株式分割の権利取り妙味を示唆しているとはいえないのである。まだ表面上に現れていない潜在材料を内包しているのではないかと思惑は増幅させているところではある。

  5月31日割り当て1株を100株に分割するが、残り2日間の権利取りとその後の権利落ちが、文字通りに高値からハシゴを外す展開を加速させるのか、そうではないのか見逃せないことになる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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