世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月16日

2012年5月17日 11:21

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【5月16日の主要経済指標と市場の反応】

■16日は、米4月鉱工業生産と設備稼働率が市場予想以上に改善

  日本の3月機械受注は市場予想に対して上振れたが反応薄だった。米4月住宅着工件数は改善したが、建設許可件数が市場予想を下回ったため反応は限定的だった。米4月鉱工業生産と設備稼働率が市場予想以上に改善したことは好感された。

≪16日 日本≫

  寄り付き前に発表された機械受注統計は、民間設備投資の先行指標である船舶・電力を除く民需ベースで、3月が前月比2.8%減少の7463億円となった。大型案件が集中した2月の同4.8%増加に比べて悪化したが、市場予想よりも上振れた。1~3月期は前四半期比0.9%増加、11年度は前年度比6.2%増加の8兆9742億円で2年連続の増加だった。なお4~6月期見通しは前四半期比2.5%増加で、1~3月期に比べて加速する模様だが、関心がギリシャ問題に集中しているため、市場は反応薄だった。

≪16日 ユーロ圏≫

  ユーロ圏4月消費者物価指数(CPI)改定値は前年同月比2.6%上昇となり、速報値の同2.6%上昇と同水準で、市場予想とも同水準だった。このため市場の反応は限定的だった。

  ユーロ圏3月貿易収支(季節調整前)は86億ユーロの黒字となり、2月の23億ユーロの黒字(28億ユーロの黒字から下方修正)に比べて、黒字が大幅に拡大した。輸出は1649億ユーロで前年同期比4.4%増加したが、一方の輸入は1563億ユーロで同0.4%減少した。ドイツの輸出好調が牽引した形だが、市場の反応は限定的だった。

  イングランド銀行(英中央銀行)は四半期インフレ報告で、短期的なインフレ報告を上方修正したが、中期的なインフレ見通しを下方修正した。また経済成長率も引き下げ、追加緩和策の余地を示唆した。これを受けてポンドがドルやユーロに対して下落した。

≪16日 米国≫

  米MBA(抵当銀行協会)週間住宅ローン申請(新規・借り換え)指数は前週比9.2%上昇し、前週の同1.7%上昇に比べて大幅に増加した。住宅ローン金利低下を受けて借り換え需要が増加した。

  米4月住宅着工件数(年率換算)は71.7万件で、3月改定値の69.9万件(65.4万件から上方修正)に比べて増加し市場予想も上回った。しかし米4月建設許可件数(年率換算)は71.5万件で、3月改定値の76.4万件(74.7万件から上方修正)に比べて減少し市場予想も下回った。このため市場の反応は限定的だった。ただし建設許可件数の中でも一戸建てに関しては増加しており、悲観する内容ではないとの見方もあるようだ。

  米4月鉱工業生産は前月比1.1%増加となり、3月改定値の同0.6%減少(同横ばいから下方修正)に比べて市場予想以上に改善した。自動車・部品の伸びが全体を押し上げた。また米4月設備稼働率は79.2%となり、3月改定値の78.4%(78.6%から下方修正)に比べて市場予想以上に上昇した。鉱工業生産は10年12月以来の大幅な伸び率、設備稼働率は08年4月以来の高水準だった。いずれも市場予想以上に改善したため、市場は好感した。

  公表された米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(4月分)では、メンバー数人が景気下振れの場合の追加緩和に言及したことが明らかになった。ドル・円相場は追加緩和観測でドル売り・円買いがやや優勢になった。株式市場の反応は限定的だった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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