「家貧しくして孝子顕われる」・・・ソニーと子会社SONYFHに業績格差=浅妻昭治

2012年5月11日 10:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

ソニーフィナンシャルホールディングス<SONYFH、8729>(東1)は、20円高の1184円と3日ぶりに反発し・・・。

ソニーフィナンシャルホールディングス<SONYFH、8729>(東1)は、20円高の1184円と3日ぶりに反発し・・・。[写真拡大]

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  ソニーフィナンシャルホールディングス(SONYFH) <8729> は、20円高の1184円まで上げて3日ぶりに反発し、1月6日につけた年初来安値1126円に並ぶ安値水準から底上げをしている。前日10日大引け後に5月18日予定の決算発表に先立って、前2012年3月期業績速報、今2013年3月期業績予想を開示、前期速報値が、今年2月の上方修正値の再上方修正となり、純利益が290億円から328億円(前期比21%減)に引き上げられて減益転換率を縮小、今期も370億円(同12%増)と増益転換を予想したことから下げ過ぎ訂正買いが再燃している。

  前日は、同時に同社の親会社のソニー <6758> も、3月期決算を発表している。前期純利益が、今年4月の4回目の下方修正値より連続赤字幅を縮め、4566億6000万円の赤字(前々期は2595億8500万円の赤字)となり、今期は、300億円の黒字転換を予想したことの反応したものである。ただ、このソニーの黒字転換は、なおテレビ事業の赤字脱却戦略がまだ不透明として市場の信頼性を得るには十分とはいえず、上方修正の続く子会社の業績推移とは対照的となっている。

  この親会社と子会社の業績格差は、親会社の業績低迷が続いたこの2年来、ますます歴然となっており、上方修正と下方修正が交錯した今年2月は、典型的なケースであった。この例は、SONYFHのみにとどまるものではなく、ソニーの子会社のソネットエンタテインメント <3789> や孫会社のエムスリー <2413> にまで該当する。まさに「家貧しくして孝子顕われる」だが、子会社にしてみれば、株価に下方修正する親会社の株価イメージが波及し悩まさてしまうことにもなり、親会社の起死回生を願うのは投資家ばかりとはいえなさそうである。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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