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ソフトバンクが米ペイパル社と合弁会社を設立、「PayPal Here」を日本に導入
PayPal Hereの利用イメージ(画像:ソフトバンク)[写真拡大]
ソフトバンクと米PayPal(ペイパル、本社:カリフォルニア州サンノゼ)は9日、日本でデジタル決済を推進する合弁会社「PayPal Japan」を設立する計画を発表した。
ペイパルとソフトバンク(または両社の関連会社)は、それぞれ10億円(1250万ドル)ずつ出資し、合弁会社への出資合計額は20億円(2500万ドル)となる。役員は両社3人ずつ、計6人となり、ソフトバンク側からCEOとして、ソフトバンクモバイルの取締役常務執行役員である喜多埜 裕明(きたのひろあき)氏が就任する予定。
ペイパルは、世界の190の国と地域でオンラインおよびモバイル決済ソリューションを提供し、アクティブアカウント数は1億1,000万以上にのぼり、25種類の通貨に対応している。一方ソフトバンクグループは、全国数千店舗の幅広い流通・販売網や強力な営業体制、約2,900万件の携帯電話契約件数を誇り、これらのチャネルや顧客基盤を生かした展開を行っていく。合弁会社は、両社の強みであるグローバル、ローカルな資産を生かした事業展開を行い、オンラインやモバイル、オフライン取引を実現するデジタル決済サービスを提供し、日本市場における商取引を変革することを目指す。
また今回、米国、カナダ、香港、オーストラリアに続いて、日本がグローバルモバイル決済ソリューション「PayPal Here」の5番目の導入地域となることも発表された。
PayPal Hereは、スマートフォンに挿す親指大のカードリーダーと無料のモバイル・アプリケーションを使って、クレジットカードやデビットカード、PayPalによる支払いを受け付けできるサービス。事業者は、アプリケーションがインストールされたiPhoneやAndroid端末にカードリーダーを装着し、利用者のクレジットカードやデビットカード、PayPalでの支払いを受け付けることができる。これまでコスト等の問題でクレジットカードの導入が難しかった中小規模事業者も、PayPal Hereを利用することで、スマートフォンを使っていつでもどこでもクレジットカードなどの決済を行うことができる。
なお、カードリーダーおよびiPhone向けの事業者用アプリケーションは、本日より、一部の事業者に限定的に提供を開始する。一般への提供は今後1~2カ月程度で開始する予定。またAndroid向けの事業者用アプリケーションも同じく1~2カ月程度で提供する予定。カードリーダーの価格は1,200円程度(オープン価格)で、ソフトバンクグループの販売チャネルを通じて販売される予定。なお、PayPal Hereの利用にあたって、カードリーダー以外の導入費用や月額費用は一切かからない。取引手数料は5%で1回の取引ごとに発生する。
利用者向けのアプリケーションである、iPhone向けのPayPal Mobileアプリケーションの日本語版はApp Storeで入手可能。PayPalのアカウントを持つ日本のユーザーは、アプリケーションの「お店情報」機能を使って近くにあるPayPal Here対応店舗を見つけることができる。利用者がアプリケーションを立ち上げ、画面をタップすると、店舗側に通知が送られる。店舗側では、PayPal Hereで利用者の名前と顔写真を確認すれば、支払いが受け付けられる。財布は必要ない。
ソフトバンクの孫正義 代表取締役社長は、「このたびペイパルとパートナーシップを組み、両社の強みを生かしながら日本市場でPayPal Hereを提供することを大変楽しみにしている。PayPal Hereはモバイルの特性を生かした最先端の決済ソリューション。スマートフォンが普及し続けている日本市場において大きく成長する可能性を秘めている。われわれソフトバンクグループの携帯電話事業における経験やモバイルインターネットの先進性を活かしながら、日本市場への普及を促進し、人々の生活をより便利で豊かにすることを目指していく」とコメントしている。
一方、ペイパルの親会社である米eBay Inc.(イーベイ)のジョン・ドナホー社長兼最高経営責任者(CEO)は、「このパートナーシップとPayPal Hereの提供を通じて、日本の数百万規模の中小規模事業者のビジネスをより便利にし、消費者にいつでもどこでも利用可能な決済手段を提供する。私たちはショッピングと決済は簡単であるべきだと考えている。ソフトバンクと協力し、日本の決済と商取引に変革をもたらすことを楽しみにしている」とコメントしている。
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