日立電線、自動車部品事業のグローバル供給体制を強化 メキシコやタイ

2012年5月7日 13:31

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 日立電線は7日、自動車部品事業のグローバル供給体制を強化するために、ABS(Antilock Brake System)センサの新たな生産拠点として、メキシコの製造子会社HC Queretaro, S.A. de C.V.(以下HCQ)に製造設備を導入するとともに、茨城県日立市の同社電線工場からタイの製造子会社AHCL(Thailand)Co., Ltd.(以下AHCL)にブレーキホース管体の製造設備を一部移管し、AHCLのブレーキホース管体の製造能力を増強すると発表した。なお、これらにかかる設備投資金額は合わせて約5億円となる。

 近年自動車メーカーにおいて、新興国市場開拓のためにグローバルで生産拠点を見直す動きが進んでいる。最大市場である北米においては、将来的な需要拡大が期待できる中南米市場開拓も見据え、生産拠点が米国からメキシコや南米へシフトしつつある。また、日系自動車メーカーにおいては、これまでの輸出対応から海外生産拠点をより強化する動きが活発化している。こうした背景から、海外の各地域で強まる自動車部品の需要に対応するために、今回日立電線では自動車部品事業のグローバル供給体制を強化する。

 ABSセンサについては、メイン工場であるタイのAHCLに加え、今回北米市場および中南米市場の供給拠点として新たにメキシコのHCQに製造設備を導入し、2013年9月から量産を開始する。これにより2014年度には、ABSセンサの製造能力をグループ全体で1.4倍(2011年度比)にまで高めていく。ABSセンサが搭載されるABS装置は、自動車の安全走行をサポートする基幹部品として先進国市場ではほぼ標準搭載となっている。近年新興国での搭載比率が高まっており、さらなる需要拡大が期待されている。

 ブレーキホースについては、これまでも電線工場ならびにAHCLでブレーキホース管体を製造し、部材として米州、欧州、中国の各拠点に供給し、各拠点でブレーキホースに加工してきた。今回、旺盛なグローバル需要へ対応できる最適な供給体制を整えるために、電線工場の製造設備をAHCLに一部移管する。これにより移設が完了する2013年度には、AHCLのブレーキホース管体の製造能力を約2倍(2011年度比)にまで高めていく。

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