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【相場展望】サプライズ期待薄で為替動向にも注意必要だが、調整一巡感台頭の可能性
【来週(4月23日~27日)の株式市場見通し】
■重要イベントや企業決算発表本格化
来週(4月23日~27日)の日本株式市場では、24日~25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、27日の日銀金融政策決定会合などの重要イベント、そして12年3月期企業決算発表の本格化を迎える。GW(ゴールデン・ウィーク)休暇を控えていることもあり、引き続き様子見ムードを強める可能性があるだろう。
重要イベントや主力企業の決算発表では、ポジティブ・サプライズはやや期待薄と考えられるため、材料出尽くしや失望売りが一時的に優勢になる可能性もあるだろう。しかし、過度な期待先行で事前に買い上げられている状況ではないため、結果的に反応は限定的となる可能性が高いだろう。そしてテクニカル面で見れば、東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)が20日時点で77.0%に低下しており、調整一巡感を強めていることが支援材料となる可能性があるだろう。
前週末20日の米国株式市場で主要株価指数は高安まちまちだったが、ダウ工業株30種平均株価が3営業日ぶりに反発したことや、外国為替市場でユーロ・円相場がやや円安方向に傾いたことを受けて、週初23日は堅調なスタートが想定される。
その後は、25日の米FOMC声明と経済見通し発表、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の会見、27日の日銀金融政策決定会合と4月展望リポート(経済・物価情勢の展望)公表、そして外国為替市場の動向が焦点となるだろう。
今回の米FOMCでは現状の金融政策維持、日銀金融政策決定会合では資産買い入れ基金の5~10兆円規模の増額などの追加緩和というのが、すでに市場のコンセンサスとなっている模様であり、これ以上のポジティブ・サプライズはやや期待薄だろう。ただし一方で足元の調整局面を見ると、日銀の追加緩和見送りというネガティブなシナリオに対する警戒感を強めている可能性も考えられるだけに、
また主力企業の12年3月期決算発表では、次期の13年3月期の業績見通しに注目が集まるが、期初時点では概ね保守的な見通しを公表する可能性が高いうえに、業績見通しを未定とする企業も少なくないだろう。したがって、ここでもポジティブ・サプライズはやや期待薄だろう。ただし過度な期待先行で事前に買い上げられている状況ではないため、保守的な業績見通しに対する失望売りも限定的だろう。
ユーロ圏債務危機問題に関しては、19日のスペイン10年債入札が無難に通過したことや、G20財務相・中央銀行総裁会議でIMF(国際通貨基金)の資金基盤強化に関して目標の4000億ドル超の確保にメドがついたことなどで、当面の過度な警戒感は後退するだろう。ただしスペインの国債利回りの動向には引き続き注意が必要であり、22日の仏大統領選の結果次第では、波乱要因となる可能性があるだろう。5月のギリシャ総選挙にも注意が必要となる。
この他では、世界の主要国・地域の経済指標、中国株式市場の動向、イランや北朝鮮関連の地政学リスクに対しても、引き続き注意は怠れない。
世界の主要国・地域の前週の動向を整理してみよう。
米国の主要経済指標はやや低調な内容だった。16日には、米3月小売売上高が前月比0.8%増加となり、2月改定値の同1.0%増加(同1.1%増加から下方修正)に比べて鈍化したが市場予想を上回った。米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数は6.56となり、3月の20.21に比べて低下し市場予想も下回った。米4月住宅市場指数は25となり3月の28に比べて低下し市場予想も下回った。17日には、米3月住宅着工件数が年率換算65.4万件となり、2月改定値の同69.4万件(同69.8万件から下方修正)に比べて減少し市場予想も下回った。建設許可件数は同74.7万件となり、2月改定値の同71.5万件(同71.7万件から下方修正)に比べて増加し市場予想も上回った。米3月鉱工業生産は2月に続いて前月比横ばいとなり市場予想を下回った。
19日には、米新規失業保険申請件数が38.6万件となり、前週改定値の38.8万件(38.0万件から上方修正)に比べて0.2万件減少したが、市場予想よりも弱い内容だった。4週移動平均は37.475万件となり2週連続増加となった。米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は8.5となり、3月の12.5に比べて低下し市場予想も下回った。米3月景気先行指数は前月比0.3%上昇となり、市場予想をやや上回ったが2月の同0.7%上昇に比べて低下した。米3月中古住宅販売件数は年率換算448万件となり、2月改定値の同460万件(同459万件から上方修正)に比べて減少し市場予想も下回った。
ユーロ圏に関しては、スペインの国債利回りの動向に関心が集中した。16日には、スペインの12年第1四半期GDPが11年第4四半期と同程度のマイナス成長(前期比マイナス0.3%)になるとの経済相の発言を受けて警戒感が強まり、スペイン国債利回りが6%台に上昇した。17日には、スペイン短期債入札で落札利回りが前回を上回ったが、調達額が目標額を上回ったため警戒感が和らぎ国債利回りがやや低下した。独4月ZEW景気期待指数が5カ月連続で上昇して市場予想を上回ったことも好感された。19日には、スペイン10年債入札で目標額を上回る25.4億ユーロを調達し、無難に通過したため警戒感がやや後退した。
中国に関しては、14日に中国人民銀行が、人民元の米ドルに対する1日の変動幅を上下1.0%に拡大すると発表した。ただし市場の反応は限定的だった。
日本に関しては、19日に発表された3月貿易収支が826億円の赤字だった。赤字額が市場予想を下回ったため、外国為替市場では一時的に円高方向に傾く場面があった。
外国為替市場では、ドル・円相場、ユーロ・相場ともに、19日のスペイン10年債入札を無難に通過したことなどで、週末にかけてやや円安方向に傾いた。ただし22日の仏大統領選、24日~25日の米FOMC、27日の日銀金融政策決定会合などの重要イベントを控えて様子見ムードが強く、全体としては小動きの1週間だった。週末20日の海外市場では、終盤は1ドル=81円50銭近辺、1ユーロ=107円80銭近辺だった。
■注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では、23日の2月景気動向指数CI改定値、24日の3月企業向けサービス価格指数、27日の3月全国コア・4月東京都区部コアCPI(消費者物価指数)、3月有効求人倍率、3月完全失業率、3月家計調査、3月商業販売統計、3月鉱工業生産速報、3月住宅着工戸数、3月大手建設受注、日銀金融政策決定会合および4月展望リポート(経済・物価情勢の展望)公表などがあるだろう。
海外では、23日の豪第1四半期PPI、ユーロ圏4月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、EU加盟国の2011年の公的債務・財政赤字統計、24日の豪第1四半期CPI、ユーロ圏2月鉱工業受注、米2月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米2月住宅価格指数、米3月新築一戸建て住宅販売、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米2年債入札、米FOMC(連邦公開市場委員会)(25日まで)、25日のニュージーランド中銀金利発表、英第1四半期GDP速報値、米3月耐久財受注、米3月住宅着工許可件数改定値、米住宅ローン・借り換え申請指数、米5年債入札、米FOMC(最終日)声明と経済見通し発表、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の会見、26日の独4月消費者物価指数速報値、ユーロ圏4月景況感・業況感指数、米3月住宅販売保留指数、米新規失業保険申請件数、米7年債入札、27日の独5月消費者信頼感指数、仏3月消費支出、米第1四半期GDP速報値、米第1四半期労働生産性・単位労働コスト速報値、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値などがあるだろう。
その後の注目イベントとしては、4月30日のユーロ圏4月消費者物価指数速報値、米3月個人所得・消費支出、日米首脳会談、5月1日の豪中銀理事会(金利発表)、米4月ISM製造業景気指数、2日のEU財務相会合、3日のECB理事会(金利発表とドラギ総裁の記者会見)、米4月ADP雇用報告、米4月ISM非製造業景気指数、4日の米4月雇用統計、6日の仏大統領選決選投票、ギリシャ総選挙、10日の日本3月経常収支、英中銀金融政策委員会(金利発表)などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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