シャープ、世界初の酸化物半導体を採用した液晶パネルを生産開始

2012年4月13日 16:58

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IGZO液晶 32型高精細モニター(写真:シャープ)

IGZO液晶 32型高精細モニター(写真:シャープ)[写真拡大]

  • (左)現行品 32型液晶モニター、(右)IGZO液晶 32型高精細モニター(写真:シャープ)
  • 10型 ノートPC向け液晶パネル(左:現行品、右:高精細ノートPC向けIGZO液晶)(写真:シャープ)

 シャープは13日、世界で初めて酸化物半導体(IGZO)を採用した高性能な液晶パネルの生産を亀山第2工場で3月より開始し、4月から本格的な生産に移行すると発表した。なお、酸化物半導体(IGZO)は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)から構成される酸化物。

 亀山第2工場は2006年8月より稼動し、最先端のテレビ用液晶パネルを生産してきた。一方で世界的に需要が急拡大しているモバイル機器向けの中小型液晶パネルの生産体制の構築を図るべく、同工場の既存ラインの改造を進めてきた。

 今回生産を開始した液晶パネルは、新材料である酸化物半導体(IGZO)の採用により、従来に比べて薄膜トランジスタの小型化が図れ、1画素あたりの光の透過量を高めることができるため低消費電力化が可能。また、液晶テレビAQUOSで採用されているUV2A技術で培った光配向技術の活用により、高品位表示を実現する。

 シャープは、モバイル機器向けに加え、今後需要が見込まれる高精細ノートPCや液晶モニターなどの幅広いアプリケーション向けにも高精細液晶パネルを供給し、新しい商品市場の創造に貢献していく方針。

 なお、IGZOを採用した液晶パネルの仕様は、液晶モニター向けの32型が画素数3,840×2,160、画素密度140ppi、高精細ノートPC向けの10型が画素数2,560×1,600、画素密度300ppi、タブレット向けの7型が画素数800×1,280、画素密度217ppiとなっている。

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