株式評論家・海老原紀雄氏に「4月相場不振の理由」を聞く

2012年4月12日 12:15

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

期待された4月相場が不振の理由は。【海老原氏】 日経平均でみれば昨年11月の8100円台から3月27日の1万0255円まで30%近く上昇し、昔から,『3割高下に向かえ』という教えのフシ目に来ていたと思います。

期待された4月相場が不振の理由は。【海老原氏】 日経平均でみれば昨年11月の8100円台から3月27日の1万0255円まで30%近く上昇し、昔から,『3割高下に向かえ』という教えのフシ目に来ていたと思います。[写真拡大]

【株式評論家・海老原紀雄氏に相場見通しを聞く】

■はしゃぎ過ぎの反動も出ている、イタリア問題は要注意

――期待された4月相場が不振の理由は。

  【海老原氏】 日経平均でみれば昨年11月の8100円台から3月27日の1万0255円まで30%近く上昇し、昔から,『3割高下に向かえ』という教えのフシ目に来ていたと思います。3月は少々、はしゃぎ過ぎたところもありますね。その反動も出ていると思います。無理はありませんけどね。それまでの相場が悪すぎて、3月は決算月ということもあってムチが入ったのでしょう。

――外部要因的にも影響していますか。

  【海老原氏】 材料的には、不透明感の強いことが買い手控えにつながっていると思います。北朝鮮の衛星打上問題、欧州の信用不安、アメリカの景気の行方などモヤモヤとしています。日本の政局も不透明です。原油高、電力料金値上げにより企業業績の行方も気掛かりです。3月期決算の発表も本格化します。

――その中でも心配は?

  【海老原氏】 やはり、欧州の信用不安でしょう。ギリシャ問題はひとまず片付き、次はスペインでしょう。スペインの債務問題が出るとヨーロッパは先般決まった資金では不足すると思います。どのように手当てするのか。フランスの大統領選挙も控えているためヨーロッパの足並みが揃わない心配もあります。すでに、イタリアの金利は上がっていますから心配な点です。一方、日本では、政府と国民の間にギャップがありますね。国民は消費税の10%はやむを得ないと思っているはずです。しかし、総理が消費税には命をかけるが、行財政改革には命をかけないのか、年金問題には命をかけないのかといった思いが国民の間に芽生えていると思います。日本の政局がいちばん不透明といえるかもしれません。アメリカは秋の大統領選挙を控えているため、景気や株式マーケットが低迷すれば第3次金融緩和に踏み切るはずです。

■下値は時価総額で250兆円が目途、日立に注目

――相場はまだ安いところがありそうですか。

  【海老原氏】 日経平均は欧州問題次第では一段安もあるでしょう。しかし、9000円前後まで下げれば十分でしょう。とくに、東証1部の時価総額で250兆円がボトムと見ておけばよいでしょう。

――どのような銘柄に注目されていますか。

  【海老原氏】 オーソドックスには復興に関連した銘柄がよいでしょう。中長期的には技術力のある日立製作所 <6501> がよいでしょう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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