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明電舎と住友電工、アルミセルメットを用いた電気二重層キャパシタを共同開発
アルミセルメットを用いた電気二重層キャパシタ イメージ(画像:住友電工)[写真拡大]
明電舎と住友電気工業は29日、住友電工のアルミニウム多孔体「アルミセルメット」を電極材料として使用する電気二重層キャパシタを共同開発すると発表した。EV、HEVなど自動車分野を主な市場として、2015年度の製品化を目指す。
明電舎は、2006年に高電圧・大電流用途向けバイポーラ積層構造の電気二重層キャパシタを製品化した。積層構造の採用により、薄型でスペース効率が高く、また繰り返しサイクル寿命が蓄電器よりも長いという特長を活かし、主に電力安定供給のための瞬時電圧低下補償装置や電鉄向け電力回生貯蔵装置などインフラ向けの装置を中心に事業を展開してきた。その一方で、電気二重層キャパシタをより広範な分野に適用すべく、性能向上のためのデバイスの開発や用途開発を積極的に進めてきた。
一方、住友電工の「セルメット」はニッケルやニッケルクロム合金の金属多孔体。大きな気孔率(最大98%)を有する特長があり、電池に使用する活物質の充填性・保持性、集電性が良いことから、最近ではハイブリッド自動車用ニッケル水素電池の正極集電体にも採用されている。「アルミセルメット」は、大きな気孔率という特長に加え、比重がニッケルの約1/3と軽量で、電気抵抗率もニッケルの半分以下で高い導電性を有する。また、耐食性にも優れ、リチウムイオン二次電池など充放電電圧の高い二次電池や、キャパシタの集電体にも適用が可能。
明電舎と住友電工は、アルミセルメットの特長を活かした電気二重層キャパシタの共同研究に2011年から取り組んできた。今回、集電体にアルミセルメット、活物質にカーボンナノチューブ、電解液に不燃性のイオン液体を適用することで、アルミ箔、活性炭、有機電解液を用いた従来の電気二重層キャパシタと比較し、体積エネルギー密度は約3.4倍、かつ広い温度範囲での作動および高い出力密度を実現した。
両社は、体積エネルギー密度を約5倍まで高めることを目標に今後も共同研究を継続する。HEV、EVの加速時の動力アシストや減速時の電力回生など自動車分野を主たる市場と位置づけ、2013年度のサンプル出荷、2015年度の製品化を目指す。
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