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不潔な環境はアレルギーを予防する?
記事提供元:スラド
ある Anonymous Coward 曰く、
従来から幼少期に細菌に接触していると、体内の免疫系が強化され、アレルギーや喘息などから体を守ると考えられてきた。しかし、その仕組みは分かっていなかった。喘息および潰瘍性大腸炎 (共通する炎症性腸疾患) の進行を無菌状態のマウスとそうでないマウスを実験に用いて比較調査したところ、細菌への接触と免疫系の役割についてのメカニズムを特定できたという (Nature News & Comment の記事、本家 /. 記事、DOI: 10.1126/science.1219328 より) 。
無菌状態のマウスでは、体内の免疫細胞の一つ iNKT (invariant natural killer T ) 細胞が多かった。iNKT 細胞は体から外敵を守る重要な免疫機能でもあるが、過剰に存在すると喘息および潰瘍性大腸炎を引き起こす要因ともなる。しかし通常状態のマウスは iNKT 細胞が少なめであった。このことから幼少期に細菌に接触する機会が増えると体内の iNKT 細胞が減少するとしている。
この研究は、先進国で見られる抗生物質や抗菌剤の多用は子供の細菌への接触を減らしてしまい、正常な細胞にまで過剰に反応する「自己免疫疾患」に陥りやすいとしている。そして、これまで俗説でしかなかった汚い場所で暮らすとアレルギーに強くなるなどといった「衛生仮説」をサポートする実験結果になった。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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