科学で証明、機内食が不味く感じられる理由

2012年3月28日 11:20

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記事提供元:スラド

 danceman 曰く、

 機内食が不味く感じられるのには科学的な根拠があるとのこと (The New York Times の記事本家 /. 記事より) 。

 人間の舌には 1 人当たり味蕾が 10,000 個程あり、高度が低い場所ではこの味蕾は本来ある機能ではたらくため食べ物が美味しく感じられ、食べ物の香りも味を楽しむのに大きな役割を果たす。だが離陸前から乾いた機内の空気で鼻腔が乾燥し、高度が上昇するにつれて変化する気圧により味蕾の機能は 3 分の 2 も低下してしまうのだという。また航空機は高度 35,000 フィート (≒ 10670 m) に達すると、胴体腐食防止の理由から機内の湿度を下げるよう設計されているのだが、これが「ドライマウス」を引き起こすため増々食べ物が味気なく感じてしまう状態となる。このため機内食は塩分など調味料やスパイスを多めに使われているのだそうだ。

 また「機内で食べて美味しい食べ物といったらアイスクリームくらいしか思いつかない」と話すニューヨーク大学の Marion Nestle 栄養学教授によれば、包装や冷凍、乾燥、貯蔵などの行程は、如何なる高度にあっても味を損なう原因となってしまい、ましてや 3 万フィート上空ともなれば味を保つのは更に難しいのだという。機内で火を使って調理することは安全上の問題から禁止されているため、原則として全食事は地上で調理しなければならず、調理後に冷凍された機内食は冷凍保存の状態で配膳カートに積まれ機内に運ばれている。

 「機内でどんな食べ物でも美味しく感じられるようにするのは、とうてい到達することのできない目標」なのだろうか。

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