【銘柄診断】ベネッセホールディングスはチャート面で上昇トレンドの形

2012年3月27日 09:08

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【介護サービス関連銘柄診断】

  ベネッセホールディングス <9783> (東1)は、09年10月に持株会社に移行し、国内・海外教育事業、生活事業、シニア・介護事業(高齢者介護サービス事業および保育事業のベネッセスタイルケア、医療介護職紹介派遣サービスのベネッセMCM、高齢者介護施設運営のボンセジュール)、語学・グローバル人材教育事業、および関連事業を展開している。

  11年4月~12月期累計実績で見ると、国内教育事業は内部取引含む売上高が前年同期比1%減の1791億円、連結調整前の営業利益が同12%減の336億円、海外教育事業は売上高が同16%増の79億円、営業利益が10億円の赤字(前年同期は5億円の黒字)、生活事業は売上高が同11%減の186億円、営業利益が1億円の赤字(同2憶円の赤字)、シニア・介護事業は売上高が同13%増の486億円、営業利益が同12%増の27億円、語学・グローバル人材教育事業は売上高が同9%増の436億円、営業利益が同39%減の3億円、その他事業は売上高が同9%減の315億円、営業利益が同31%減の3億円だった。

  シニア・介護事業では、介護付き有料老人ホーム運営を主力として、在宅介護サービスも展開している。介護保険収入への依存度が低いビジネスモデルを構築していることが特徴で、10年3月にはボンセジュールを子会社化して老人ホーム事業を拡大している。なお12年4月1日付けで、介護付き有料老人ホームを運営するベネッセスタイルケアとボンセジュールが合併予定である。

  また、11年12月末時点でのシニア・介護事業の高齢者向けホーム数は、合計213カ所(「アリア」15カ所、「くらら」40カ所、「グラニー&グランダ」79カ所、「まどか」46か所、「ボンセジュール」30カ所、「ここち」3カ所)となっている。

  12年3月期通期の連結業績の見通しについては、売上高が前期比2%増の4219億円、営業利益が同21%減の338億円、経常利益が同23%減の343億円、純利益が同18%減の168億円、予想EPS(1株利益)が172円82銭、年間配当が95.0円(第2四半期末47.5円、期末47.5円)としている。連結の全社ベースでは国内通信教育講座の会員数減少などで営業減益の見込みだが、シニア・介護事業については高齢者向け生活ホーム数を拡大し、入居者数が増加しているため増収増益の見込みである。

  中期的には少子高齢化の進展によって、国内教育事業の収益悪化が懸念される一方で、シニア・介護事業については収益拡大が期待される。

  株価の動きを見ると、11年8月の安値圏3000円近辺から反発し、26週移動平均線がサポートラインの形となって下値を切り上げ、戻り歩調の展開となっている。足元では4000台まで上昇して東日本大震災前の水準を回復している。

  足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期会社予想ベースの連結予想PERは23~24倍近辺、予想配当利回りは2%台前半、11年3月期BPS(1株当たり純資産1893円72銭)ベースの実績PBRは2倍台の水準である。

  指標面での割安感に欠けるが、チャート面では上値を切り上げて上昇トレンドの形であり、シニア・介護事業の収益拡大基調を期待すれば、短期調整を挟みながら上昇余地があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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