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3000万人もの人たちが暮らす中国の洞窟
あるAnonymous Coward 曰く、 中国の陝西省、黄土高原では3000万人もの人たちが崖に横穴を掘って作られている窰洞(ヤオトン)と呼ばれる洞窟の中で暮らしている。このヤオトンが近年見直されているという。(Los Angeles Times 、本家/.)。
ヤオトンは単なる洞窟ではなく、電気も水道も用意されている。優れたヤオトンはレンガを積んで補強したり、家族が部屋を持てるように横に複数のヤオトンがつながれているなどの工夫も見られる。中には太陽光が入りやすい高い天井を持ち、広い庭を持つ美しい物もあるそうだ。
陝西省の西安でドライバーとして働くRen氏は「夏は涼しく冬は暖かい。そして静かで安全」とヤオトンの特徴をこう語っている。長い間、ヤオトンで暮らす76歳のMa Liangshui氏は「ここは階段を登る必要もなく快適。私は洞窟内で人生のすべてを生きてきたが、ほかの環境で暮らす姿は想像できない」と語っている。
近年、建築家たちは環境面からヤオトンのような洞窟の存在を見直す動きがあるという。中国でも近代化が進み、平地に近代的な住居を建てるようになってきたが、その半面、農耕地が減ってしまうリスクがある。ヤオトンのように、崖に家を構築すると、平地を有効に活用でき耕作面積を増やすことができる。そして住居の建築コストも非常に安価だ(inhabitat)。
新しい動きもある。西安のGreen建築研究センターの洞窟建築の第一人者「Liu Jiaping」氏はヤオトンの近代化バージョンを開発。旧来の平屋建てではなく、二階建て構造になっているほか、採光性のよいガラス窓などを採用している。この「新しい洞窟」は優れた建築物に与えられる「World Habitat Award」に決勝戦まで勝ち残っている(World Habitat Award 2006記事)。
なお、本家/.では、見慣れない洞窟住居を見てインパクトを受けた人が多かったようだ。住居の問題から人生のあり方まで多くのコメントが寄せられている。
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