三菱自、新型「ミラージュ」をタイから世界へ輸出 日本では今夏に発売

2012年3月20日 22:13

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新型『ミラージュ』(画像:三菱自動車)

新型『ミラージュ』(画像:三菱自動車)[写真拡大]

 三菱自動車工業は20日、同社の新型グローバルコンパクトカー『ミラージュ』を、3月28日にタイ国内で発売すると発表した。

 新型『ミラージュ』は、成長著しい新興国におけるエントリーカー、また成熟国における環境対応車という双方のニーズを一つの商品として具現化し、革新的な発想に基づいて開発された新型グローバルコンパクトカー。新型『ミラージュ』は、三菱自のグローバル生産体制の中で日本に次ぐ第2の輸出拠点であるミツビシ・モーターズ・タイランドのラムチャバン工場に新たに建設した第3工場で生産される。販売はタイに続き、アセアン諸国、日本、欧州各国などへと順次拡大していく計画で、日本では今夏の発売を予定している。

 三菱自の益子修社長は、現地で開催される『ミラージュ』発表式典を前に、「低燃費、環境への関心が高まる中、低燃費や低CO2排出量にこだわった、時代にマッチした新型グローバルコンパクトカー『ミラージュ』を世界に先駆けタイ市場に投入することが出来て嬉しく思う。エコカー政策を推進し、タイ生産事業強化の機会を与えてくれたタイ政府に感謝の意を表す。今後、新型『ミラージュ』をアセアン諸国、日本を始め、全世界に供給していく」と語った。

 新型『ミラージュ』は、低燃費を追求した新開発のMIVECエンジンを搭載し、空気抵抗と走行抵抗を低減させることで、クラストップレベルの低燃費・低CO2排出量を実現。また、コンパクトカーならではの取り回しの良さを追求しながら、大人5人のための居住空間をしっかり確保する高効率パッケージを採用している。

 ボディは、構造の最適化と高張力鋼板の採用拡大により従来比で7%の軽量化を実現し、低燃費に大きく寄与する一方、全方位からの衝撃を効果的に吸収・分散させる衝撃安全強化ボディ「RISE」の採用で高い安全性を実現した。また、企画・開発・生産・品質確認・販売・サービスのすべての段階で厳正に審査して次工程に進める開発方式MMDS(Mitsubishi Motors Development System)、工程完結を基本理念とする全生産拠点に共通の生産方式MMPW(Mitsubishi Motors Production Way)を採用することで、高い品質を確保した。さらに、新工場での新型車の生産開始に伴い、日本と同等の品質を確保すべく、日本人の検査員が駐在して出荷前に全数検査するほか現地検査員の指導も実施している。

 なお、今回発表した新型『ミラージュ』のタイ仕様は、全車に1.2L MIVECエンジンを搭載し、タイのエコカー認定基準を上回るクラストップの低燃費22km/Lを実現。価格は380,000バーツ(約103万円)~546,000バーツ(約148万円)の設定とし、タイにおける販売台数は2,000台/月を計画している。

 三菱自は、昨年1月に公表した2013年度までの中期経営計画「JUMP 2013」において、その事業戦略の柱の一つとして「新興市場への経営資源の集中」を掲げている。中でも、アセアン地域での事業基盤強化を新興市場対応の中心に据えており、今回のタイでのグローバルコンパクトカー生産及び今後のタイからの世界展開は、その具現化に向けた重要施策のひとつに位置づけられるものとなっている。同社は、今後も、将来的な成長が期待される新興市場での積極的な事業強化を進めていく方針。

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