師走相場が本格化!下値モミ合いで個別物色の展開へ=犬丸正寛の相場展望

2011年11月25日 19:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(28日~12月2日)の相場は、『不安人気先行に対し悪くない実体を見守る展開』が予想される。東証1部の新安値銘柄数は、連日100社を超え、日経平均は3月の震災時下げでつけた場中安値8227円を切って8135円に沈んだ。

来週(28日~12月2日)の相場は、『不安人気先行に対し悪くない実体を見守る展開』が予想される。東証1部の新安値銘柄数は、連日100社を超え、日経平均は3月の震災時下げでつけた場中安値8227円を切って8135円に沈んだ。[写真拡大]

■業績など実体に対し相場は下げすぎ

  来週(28日~12月2日)の相場は、『不安人気先行に対し悪くない実体を見守る展開』が予想される。東証1部の新安値銘柄数は、連日100社を超え、日経平均は3月の震災時下げでつけた場中安値8227円を切って8135円に沈んだ。しかし、相場は悲観人気が先行している。

 (1) 26週線に対する日経平均が週末25日にはマイナス10%まで拡大した。  (2) 日経平均のPERは13倍台と割高にはなっていない。   ・・・ことなどがある。

  26週線とのマイナス乖離では、最近では2009年11月、2010年7月、2010年9月、そして2011年10月にマイナス10%となって日経平均は反発に転じている。今年3月の震災時下げでは、マイナス10%に届く前のマイナス8%程度で底打ちした。今回が、このまま、底打ちとは言い切れないものの、さらに一段安となることもなさそうだ。大きい反発はないとしても下げ渋りモミ合いとなる可能性がある。

  連日の100社を超える新安値銘柄にみられるように、輸出関連優良株中心に短期的には投げが出ている。一方で、9月の決算の後は、とくに減額企業が相次いでいるということではない。日経平均の予想PERは13倍台と大きくは変動していない。

  企業業績の先行きを不安・悲観して、売りが先行している動きといえる。とくに、過去における、「PERと株価の関係」でみると、PERが異常に高くなったとき、あるいは、赤字企業が増えてPERの算出が不可能となったとき(たとえば2003年当時)などに、日経平均は大底を打って反発に転じている。今のPER13倍台では、そこまでは行っていない。

  ヨーロッパの金融不安、タイの洪水、中国など新興国の経済成長の減速等からは、このまま企業業績が無傷ということにはならないだろう。ただ、今の時点では、PERが50倍程度になるのか、あるいは算出不可能となるのか。企業業績の見極めがつけ難い。逆に、第3次補正予算の成立、さらに第4次補正予算期待から復興が本格化して不振の輸出をカバーすることになるのか。もうしばらく、方向がはっきりするまでには時間が必要だろう。

  いよいよ、来週は師走相場が本格化する。全般が下げ渋る中で、空売りの多い銘柄や材料株の個別物色相場が予想される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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