島津製作所、抗原の検出能力を 100 倍以上にする可変抗体の作成方法を確立

2011年11月14日 12:30

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記事提供元:スラド

 血液検査の感度を従来の 100 倍に高める技術を島津製作所の田中最先端研究所のチームらが開発した。この研究所は、島津製作所で田中とくれば分かるように、ノーベル賞を受賞した田中耕一フェローを所長として昨年 3 月に発足した機関。最先端研究開発支援プログラム (FIRST) の課題「次世代質量分析システム開発と創薬・診断への貢献」の成果として得られた (島津製作所のプレスリリース) 。

 がんや生活習慣病などの病気になると特定のタンパク質 (抗原) が血流に含まれるようになるが、抗体によってこれを検出することができる。しかし生体が作り出した抗体や、マウス・ヒトのキメラ抗体といったこれまで用いられてきた抗体では、抗原を捕捉する能力を持つ部分に自由度がなく、「点」で捕捉するようなイメージだった。

 研究グループは抗体にポリエチレングリコールを組み込む事により、抗原と結合する部位の自由度を大幅に高める「可変抗体」を作成する方法を確立し、抗原の検出力を 100 倍以上に高めたことを確認した、とのことである。

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