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由紀さおり&ピンク・マルティーニ、ロンドン「ロイヤル・アルバート・ホール」公演で7,000人が熱狂
EMIミュージック・ジャパンによると、2011年10月17日、ロンドン「ロイヤル・アルバート・ホール」で、アメリカ・オレゴン州のジャズ・オーケストラ「ピンク・マルティーニ」のコンサートが開催され、7,000席がソールドアウトとなった。
同公演には、歌手の由紀さおりさんがヴォーカリストとして参加し、BBCコンサート・オーケストラも迎えての大舞台で、第一部「夜明けのスキャット」、「ブルー・ライト・ヨコハマ」、第二部「さらば夏の日」、「夕月」、アンコールでは「マシュケナダ」という、ピンク・マルティーニとのコラボレーションアルバム『1969』で共演した5曲を披露した。
2組は、由紀さおりさんが「夜明けのスキャット」でデビューした1969年の世界のヒット曲を集めたコラボレーションアルバム『1969』(日本発売:2011年10月12日)を完成させたばかりだった。
ピンク・マルティーニのリーダー、トーマス・M・ローダーデール氏は、「由紀さんの歌謡曲は、日本語の響きも含めて、実に魅力的。例えばブラジルやフランスのスタンダードのように、日本語の歌謡曲も素晴らしい」と語っている。
一方、由紀さんは、「コンサートの当日、ようやく決まったセットリストがリクエスト通りだったのでホッとしました」と述べている。さらに、「私がちゃんと歌えるように、1時頃から都合三回、夕方5時半まで、リハーサルをしてくれました」、「本番では、緊張したままステージに上がったら、トーマスがニッコリと笑ってくれて、それで少しリラックスできました」と述べ、由紀さおりさんというベテランでも、今まで体験したことのない大舞台にはさすがに緊張した気持ちを吐露している。
第一部の後半、ピンク・マルティーニのレパートリーに観客が陶然となったところで、トーマス氏が、10数年前に由紀さんのアナログ盤のアルバムを地元の中古店で見つけたことや、一緒にアルバムを作った話をひとしきりした後、「日本の伝説的なシンガーSaori Yukiさんです!」と由紀さおりさんを紹介。由紀さんは、英語で観客に挨拶し、「夜明けのスキャット」を歌うと、日本ではお馴染みの歌謡曲が新鮮に映ったようで、初めて聴くサウンドに魅了された観客から大きな拍手が送られたという。続いて、チャチャのアレンジによる「ブルー・ライト・ヨコハマ」では、観客たちがリズムに合わせて身を動かし、ここでも、盛大な拍手が続いたという。
第二部では、フランシス・レイ作曲の「さらば夏の日」を、ピンク・マルティーニのティモシー・ニシモト氏と、見事なフランス語でデュエット。続いて「夕月」を、トーマス氏が歌の意味を英語で伝えてから、由紀さんが日本語で歌った。
観客は、彼らの最後の曲が終わると、足を鳴らし、地響きのようにアンコールを求めていたという。由紀さんが「最後に一番難しい曲が残っていたの」と語ったアンコール曲が「マシュケナダ」。おなじみのリズム、しかし歌詞が“日本語”であると気づいた瞬間、劇場の空気が一変。ほとんどが椅子から立ち上がり、スタンディングオベーションで、由紀さんのパフォーマンスを賞讃。この日、会場に来ていた50代のイギリス婦人は「とてもキュートで、ハートを掴まれました。由紀さんは日本ではスターでしょう?でも、初めて観て、本当に素敵だと思ったわ」と語っていたという。
終演後、UKでも10月10日に発売されたアルバム『1969』を購入した観客たちがサイン会の行列に並び、由紀さおりさん、ピンク・マルティーニのメンバー一人一人がサインを書き、握手。その列は途切れることなく、終演後1時間30分近く続いたという。
トーマス氏は、「今日はファンタスティックだったろう? スゴいよ。由紀さんは!ロイヤル・アルバート・ホール、初お目見えなのに、大スターがカムバックしたときみたいな、ビッグ・ナイトだった。12月のアメリカツアーは、もっと大変なことになるかも知れない」とゴキゲンで語り、会場を後にしたという。
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