定格電流、大幅向上の超低抵抗ジャンパー抵抗器をロームが開発

2011年9月28日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 抵抗器とは、民生用・車載用・産機用問わず、一定の電気抵抗値を得る目的で使用される電子部品であり受動素子。電気回路用部品として、電流の制限や電圧の分圧、時定数回路などの用途に用いられている。簡単に言うと、電流の流れを制限することで、電気回路をスムーズに動作させるはたらきをもっており、電気回路に欠かせない部品のひとつである。

 一般家電製品では、かねてより同一実装基板上での回路・機能の切り替えや、回路のショートカットなどの目的で、ジャンパー抵抗(ゼロオーム抵抗)が使用されてきたが、従来のジャンパー抵抗は、低いものでも数十mオームの抵抗値を有していた。しかし近年は電子機器の高機能化に伴い、回路中の電流値が大きくなるにつれ、こうしたジャンパー抵抗における電力ロスや電圧ドロップが看過できない状況となってきており、抵抗値がよりゼロに近いジャンパー抵抗器に対するニーズがますます高まっている背景がある。

 そのような中、半導体メーカーのロームは、導通抵抗値をMax0.5ミリオームにまで低減し、定格電流を大幅に向上させる超低抵抗ジャンパー抵抗器「PMRジャンパーシリーズ」を開発した。

 同製品は、抵抗体に導電性に優れた特殊合金を採用することで抵抗値を大きく低減(従来比1/100)。また独自のチップ構造により、定格電流を大幅に向上させ、大電流通電時でも電力ロスや電圧ドロップの極小化を実現させており、各種電子機器の消費電力低減にも大きく貢献することが期待されている。さらに、サイズも1.6×0.8mm(22.4A)から6.4×3.2mm(63.2A)まで5製品をラインアップ、ポータブル機器から車載機器まで幅広いニーズに対応する。

 この新製品の生産拠点はROHM Electronics Philippines Inc. (フィリピン)で、既にサンプル出荷(サンプル価格:20円/個)はスタートしており、さらに、今月からは月産1000万個規模での量産も開始されている。

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