【相場展望】ギリシャ債務問題が焦点で一時的に下値模索も警戒

2011年9月25日 13:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【株式市場フューチャー:9月26日~30日の株式市場見通し】

■引き続き海外要因を睨みながら神経質な展開

  来週(9月26日~30日)の日本株式市場では、9月末の配当権利取りや月末のドレッシング買い、PBR(株価純資産倍率)で見た日本株の割安感を下値支え要因として期待したいところだが、世界的なリセッション(景気後退)やソブリンリスク拡大に対する警戒感が根強いだけに、米国株式市場や外国為替市場の動向などを睨みながら、海外要因に神経質な展開が続きそうだ。ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念や金融システム不安の落ち着きが最大の焦点となるが、週前半は軟調な展開が避けられず、一時的に下値模索の展開にも警戒が必要だろう。

  前週(9月19日~23日)は、ギリシャのデフォルト懸念や金融システム不安が高まり、世界同時株安の様相を呈した。ギリシャに対する金融支援に関しては10月上旬に実施予定の追加融資が遅れるとの観測が広がり、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるイタリア国債の格付け引き下げなども弱材料視された。注目の米FOMCでは、保有する米国債の年限を長期化することで長期金利の抑制を狙う「ツイスト・オペ」の導入を決定したが、ほぼ想定どおりだったため、株式市場は材料出尽くし感や失望感で反応した。長期金利抑制による景気浮揚効果は限定的との見方も広がった。IMF(国際通貨基金)による世界経済成長率見通しの下方修正、中国9月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値の悪化などで、リセッションに対する警戒感も高まった。

  前週末23日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比37ドル65セント(0.35%)高で3営業日ぶりに反発した。S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は、いずれも5営業日ぶりに反発した。ギリシャのデフォルト懸念は強いが、売られ過ぎとの見方が広がって買い戻しが優勢となった。前日の急落に対して一旦は落ち着いた形だが、ダウ工業株30種平均株価は前日比95ドル10セント下落する場面もあり、21日と22日の2営業日合計で674ドル83セント(5.91%)急落したわりには、反発力の鈍い展開だった。

  また前週の外国為替市場では、ドル・円相場が概ね1ドル=76円台、ユーロ・円相場が概ね1ユーロ=103円台~104円台で推移した。一時的にドル・円相場で1ドル=76円10銭台、ユーロ・円相場で1ユーロ=102円20銭台まで円が上昇する場面もあった。円の高止まり状況が続いており、日本株式市場の下押し要因となっている。

  週初25日の日本株式市場は、前週末23日の米国株式市場の反発が限定的にとどまったため、軟調なスタートが想定される。9月末の配当権利取りや月末のドレッシング買い、PBRで見た日本株の割安感を下値支え要因として期待したいところだが、週前半は軟調な展開が避けられず、一時的に下値を模索する展開にも注意が必要だろう。ギリシャのデフォルト懸念が後退するためには、10月の次回融資に関する協議が早期に決着するかどうかが最大の焦点だろう。また、米国の主要経済指標には依然として強弱感が交錯しており、10月7日の米9月雇用統計が次の重要イベントとなるだろう。当面は海外要因に神経質な展開が続きそうだ。

  需給面では外国人投資家の売り越し基調の変化が焦点となる。またテクニカル面で見ると日経平均株価は、一旦は回復した25日移動平均線を再び割り込んだため、上値抵抗線として意識される可能性が高いだけに、下値が固まるかどうかも焦点だろう。

■注目スケジュール

  来週の注目スケジュールとしては、国内では、27日の8月企業向けサービス価格指数、29日の8月商業販売統計、9月上旬貿易統計、30日の製造業PMI、8月有効求人倍率、8月完全失業率、8月家計調査、8月鉱工業生産速報、8月全国・9月東京都区部コア消費者物価指数(CPI)、8月住宅着工戸数、8月大手建設受注、などがあるだろう。

  海外では、26日の独9月IFO業況指数、米8月新築一戸建て住宅販売、米8月シカゴ連銀全米活動指数、バイトマン独連銀総裁の講演、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁がソブリン債関連セミナー討論会に参加、27日の独10月消費者信頼感指数、ユーロ圏8月M3、米7月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米9月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、米8月住宅着工許可件数改定値、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米2年債入札、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、28日の独9月消費者物価指数速報値、仏第2四半期GDP改定値、米8月耐久財受注、米住宅ローン・借り換え申請指数、米5年債入札、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁の講演、29日の独9月雇用統計、ユーロ圏9月景況感・業況感指数、独連邦議会下院でEFSF(欧州金融安定化基金)機能強化案の採決、米8月住宅販売保留指数、米第2四半期企業利益改定値、米第2四半期GDP確報値、米新規失業保険申請件数、米7年債入札、プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁の講演、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁の講演、30日の英第2四半期GDP確報値、仏8月消費支出、ユーロ圏9月消費者物価指数速報値、ユーロ圏9月失業率、米8月個人所得・消費支出、米9月シカゴ地区購買部協会景気指数、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、プラード米セントルイス地区連銀総裁の講演、などがあるだろう。

  なお10月上旬の注目イベントとしては、国内では3日の9月日銀短観、6日~7日の日銀金融政策決定会合、海外では4日のバーナンキ米FRB議長の議会証言、4日のEU財務相理事会、5日~6日のECB理事会、7日の米9月雇用統計などがあり、中国は3日~7日が国慶節で休場となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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