定格電圧と信頼性の向上を両立させた薄型ポリアセンキャパシタを開発

2011年9月14日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 太陽誘電は、ポリアセンキャパシタに使用する電解液の設計を見直すことで、定格電圧と信頼性の向上を両立させた薄型ポリアセンキャパシタの開発に成功。この技術を展開した「PAS2126FR2R7504」(26x20x0.9mm、定格電圧2.75V)は、スマートフォンのLEDフラッシュなどのピーク電流アシスト用途やSSDの無停電電源用途に適しているという。

 「PAS2126FR2R7504」は、同社従来品に比べ、寸法や特性はそのままに、定格電圧を10%向上するとともに70℃での動作も保証。電気エネルギーは約20%増加し、スマートフォンで暗所での鮮明な画像撮影を可能とするLEDフラッシュの性能向上が期待できるという。また、「PAS2126FR5R5254」(26x20x2.0mm、高さはいずれも最大値)は、セルを直列に接続することで定格電圧5.5Vを実現。同社は、「PAS2126FR2R7504」および「PAS2126FR5R5254」の2012年中の量産開始を目指す。

 スマートフォンやタブレットPCの液晶の大画面化が進むことにより、カメラモジュールには薄型化が求められる。そのため、撮影用の補助光源として低背化が可能なLEDライトが使用されているが、ライトでは暗所で鮮明な画像を撮影するのに十分な光量が得られず、輝度が高いLEDフラッシュを搭載するニーズが高まっている。

 2010年8月、同社はそのような要望に応える薄型ポリアセンキャパシタ「PAS2126FR2R5504」を発表。低環境負荷、高い容量密度、低ESRという特長を持ち、大きな電流を短時間で供給できることから、LEDフラッシュのピーク電源アシスト用途に適した商品となっている。今回は技術をさらに進化させ、低環境負荷や静電容量などの特性を維持したまま高定格電圧(2.5V→2.75V)と高信頼性(静電容量70%以上を維持できる温度を60℃→70℃)を両立させる技術の開発に成功。より高い電圧や高温でも電気分解が起こりにくいポリアセンキャパシタ電解液の開発によって、エネルギー量の増加や高温環境における信頼性の向上を実現し、LEDフラッシュをより明るく、連続で光らせることが可能になるという。

 今後も同社は、市場のニーズに的確に応えたポリアセンキャパシタの開発を行うとともに、エネルギーデバイス分野における取り組みをより加速、強化していく。

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