スズキ、VWとの提携解消:「自主的な経営判断にマイナス」

2011年9月12日 16:18

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 スズキは12日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)との業務提携と相互資本関係を解消することを取締役会で正式に決定したと発表した。

 スズキによると、VWとの提携では環境技術などの技術開発支援をVWから受けることを最大の目的としていたが、19.89%という現在の出資比率では「フォルクスワーゲン・グループと同等以上の技術的支援を受けることが困難であることを判断せざるを得ない状況となった」という。

 また、同社が競争力を維持していくためには、経営判断における自主独立が不可欠なものと考えている一方、VWはスズキを「財務的、経営方針上、重大な影響を与えることができる」会社として公表していると指摘し、総合的に考えて「自主的な経営判断にマイナスの影響を与えられることが懸念される」と説明している。

 VWが保有するスズキ株式については、スズキの意向に沿って株式を処分するようVWに求める方針。スズキもVWの意向に沿ってVW株式を処分するとしている。

 同社は今後、VWとの間で提携解消について協議し、解消時期なども含めて最終的な結論に至った段階で、速やかに公表するとしている。

 スズキとVWは2009年12月に資本提携し、VWはスズキの19.9%株式を保有している。

 今回のスズキの発表に先立って、VWは11日、スズキがVWとの提携の合意内容を侵害しているとの声明を発表した。スズキが他社からディーゼルエンジンを調達したことが違反にあたるとしている。

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