8月の倒産件数は4カ月ぶりに減少 大型倒産で負債総額は前年同月比4.2倍

2011年9月8日 16:23

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企業倒産月次推移 (グラフ:東京商工リサーチ 提供)

企業倒産月次推移 (グラフ:東京商工リサーチ 提供)[写真拡大]

 東京商工リサーチは8日、8月の全国企業倒産状況(負債総額1,000万円以上の倒産を集計)を発表した。発表によると、2011年8月度の全国企業倒産件数は1,026件で、負債総額は前年同月比4.2倍の7,940億4,500万円だった。

 倒産件数は、前年同月比3.5%減となり、4カ月ぶりに前年同月を下回った。「東日本大震災」関連倒産は72件発生し、集計時点で累計318件(3月8件、4月26件、5月65件、6月77件、7月70件)に達した。

 負債総額は、同320.3%増で、8月としては3年ぶりに5,000億円を上回った。和牛オーナー制度運営の安愚楽牧場(負債4,330億円)と、消費者金融業のSFコーポレーション(旧三和ファイナンス)(同1,897億円)の大型倒産が影響した。この2件だけで月次負債総額の約8割(構成比78.4%)を占めた。

 8月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を下回った。減少率は、卸売業22.8%減(149→115件)、運輸業21.4%減(42→33件)、不動産業16.6%減(30→25件)、情報通信業10.6%減(47→42件)、製造業10.4%減(153→137件)、建設業6.3%減(313→293件)の順。これに対し、増加は、農・林・漁・鉱業100.0%増(6→12件)、小売業17.3%増(98→115件)、サービス業他12.7%増(219→247件)の3産業だった。このほか金融・保険業が前年同月同数の7件だった。

 8月の地区別倒産件数では、9地区のうち4地区で前年同月を上回った。増加率では、北海道23.5%増(34→42件)、九州21.7%増(69→84件)、四国19.2%増(26→31件)、中国5.1%増(39→41件)の順。一方で減少は、東北40.4%減(47→28件)、北陸29.4%減(34→24件)、中部16.1%減(118→99件)、近畿3.8%減(286→275件)、関東2.1%減(411→402件)の5地区だった。

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