アップル、ジョブズCEOが辞任 「残念ながら、その日がやってきた」

2011年8月25日 10:59

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スティーブ・ジョブズ氏率いるアップルは、携帯音楽プレーヤー「iPod」と音楽配信サービス「iTunes Music Store」、スマートフォン「iPhone」、タブレット端末「iPad」など革新的な製品・サービスで成功を収めてきた。写真はiPad。

スティーブ・ジョブズ氏率いるアップルは、携帯音楽プレーヤー「iPod」と音楽配信サービス「iTunes Music Store」、スマートフォン「iPhone」、タブレット端末「iPad」など革新的な製品・サービスで成功を収めてきた。写真はiPad。[写真拡大]

 米アップルは24日、病気療養中だったスティーブ・ジョブズ氏が最高経営責任者(CEO)を辞任し、会長に退いたと発表した。後任のCEOにはティム・クック最高執行責任者(COO)が就任した。同社の急成長を導いた同氏が退任することで、これまでの勢いを維持できるのか注目される。

 同社取締役でジェネンテック会長のアート・レヴィンソン氏は声明で、「スティーブの並外れたビジョンとリーダーシップはアップルを救い、世界で最もイノベーティブで価値の高いテクノロジーカンパニーの地位へと導いた」「スティーブはアップルの成功に対して数え切れない貢献をなし、アップルの多数のクリエイティブな従業員と経営幹部を引き付け、インスピレーションを与えてきた。会長としての新しい立場で、スティーブはユニークな洞察と創造性、インスピレーションによってアップルに貢献し続けるだろう」と述べている。

 また、後任のクックCEOについて「取締役会はティムが時期CEOにふさわしい人物であるという確信を持っている」「ティムはアップルでの13年間の働きにおいて顕著な成果を残しており、非凡な才能と正しい判断力を持つことをこれまで示してきた」と述べている。

 同社によると、ジョブズ氏は24日に辞表を提出し、後継計画に従って次期CEOとしてクック氏を指名することを強く推薦した。

 同社は、スティーブ氏の書簡も公開した。全文は下記の通り。

 アップルの取締役会とアップルのコミュニティへ

 私はこれまでいつも、私がアップルのCEOとしての責務と期待に応えられなくなった時、まず皆さんにお知らせすると述べてきた。残念ながら、その日がやってきた。

 私はここに、アップルのCEOを辞任する。取締役会が適切だと判断すれば、会長として、取締役として、アップルの従業員として仕えたい。

 私の後継者に関しては、後継計画を実行し、ティム・クックをアップルのCEOとして任命することを強く推薦する。

 私は、アップルが最も輝かしくイノベーティブである日がこれから先にあると信じている。そして、新しい役割の中でその成功を見、そこに貢献することを楽しみにしている。

 私は、アップルで人生の最高の友人を得た。そして、皆さんと共に働けたこれまでの期間すべてに感謝する。

スティーブ

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