生きた細胞の超微細構造の観察に成功

2011年8月20日 12:36

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記事提供元:スラド

  m.sakkanen 曰く、

 日本原子力研究開発機構と奈良女子大学のグループは、生きた細胞の内部構造を詳細に観察可能なレーザープラズマ軟X線顕微鏡の開発に、世界で初めて成功した(プレスリリース時事ドットコムの記事産経関西の記事)。

可視光よりもはるかに波長が短く、水に吸収されにくい軟X線を使用すれば細胞の内部構造を微細に観察できるが、従来の技術では長時間の照射が必要となるため、生きた細胞を静止した状態で撮像することはできなかった。同グループは高強度レーザーを金属薄膜に集光して高輝度の軟X線を発生させる技術と、X線感光材上に細胞を直接培養する手法を開発し、短時間の照射で撮像可能なレーザープラズマ軟X線顕微鏡を実現したという。蛍光顕微鏡で細胞内器官の位置を特定する方法との組み合わせにより、90nmという高解像度で細胞核やミトコンドリア、細胞骨格といった生きた細胞の内部構造を観察することにも世界で初めて成功したとのこと。

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