スーパーカミオカンデ、電子型ニュートリノ出現現象の兆候を捉える

2011年6月17日 10:30

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記事提供元:スラド

 ある Anonymous Coward 曰く、

 2010 年 1 月から本格的に実験が開始された、茨城県東海村の大強度陽子加速器施設 (J-PARC) からスーパーカミオカンデにニュートリノビームを打ち込む「T2K 実験」の解析結果から、電子型ニュートリノ出現現象の兆候が捉えられた (KEK のプレスリリースAstroArts の記事より) 。

 2009 年 4 月から開始された T2K 実験は 2010 年 1 月から本格的な実験が始まり、今年 3 月の東北地方太平洋沖地震により加速器施設が停止するまでに取得された全データが解析されていた。その結果、スーパーカミオカンデでは 88 個のニュートリノ事象を検出し、うち 6 事象で電子の生成が検出されたという。電子型ニュートリノが出現する以外でも電子が生成されたと検出される背景事象があるが、6 事象の全てが背景事象である確率は 0.7 % である事が推定され、99.3 % の確率で電子型ニュートリノ出現現象を検出したといえるとのこと。電子型ニュートリノ出現現象の兆候を捉えたのは世界で初めて。

 今後は反ニュートリノを使った測定の実施が行われ、また将来的には検出器の高度化してレプトンの CP 対称性の破れを探索することを目指すという。

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