相場は下がるときは1株でも下がる=犬丸正寛の相場格言

2011年6月17日 17:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

相場の下げ方と出来高の関係では、大きく分ければ2つでしょう。(1)多くの出来高を伴って下げるとき、(2)少ない出来高で値段がストンと下げるとき、です。最初のケースでは突発的な悪い材料が出て、多くの投資家がびっくりして一斉に投げ売りするときです。

相場の下げ方と出来高の関係では、大きく分ければ2つでしょう。(1)多くの出来高を伴って下げるとき、(2)少ない出来高で値段がストンと下げるとき、です。最初のケースでは突発的な悪い材料が出て、多くの投資家がびっくりして一斉に投げ売りするときです。[写真拡大]

■相場は下がるときは1株でも下がる

 相場の下げ方と出来高の関係では、大きく分ければ2つでしょう。(1)多くの出来高を伴って下げるとき、(2)少ない出来高で値段がストンと下げるとき、です。最初のケースでは突発的な悪い材料が出て、多くの投資家がびっくりして一斉に投げ売りするときです。

 たとえば、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、TOPIX(東証株価指数)は3月10日終値930ポイントに対し、3月15日には725ポイントまで、僅か3営業日で22.0%も下げました。また、この間の東証1部出来高合計も138億株と通常の3倍規模という大商いでした。まさに、出来高を伴って下げた典型的なケースです。

 これは、例えるなら腸の中に溜まっていた物がすべて押し出され、腸の中は空っぽ状態となったのと似ています。売る株が少なくなっているということでは前向き評価ができます。しかし、油断はできないのです。強力な下剤効果で腸には大きな負担がかかっているはずです。何かのわずかなきっかけで腸が調子を崩す心配があります。それと同じように相場でも売り物が少なくなっているといって安心はできません。大きい下げの原因となった材料が完全に除去されていないと次の悪材料に転移する心配があります。

 今回のケースでは東日本大震災の復興がままならず、経済活動が沈下し日本自体の地位が低下すること。あるいは今度の地殻変動をきっかけに東海大地震につながる心配だってあるわけです。そういった次のときは、最初の下げに比べると出来高は少なくてもストンと下げるのが特徴です。最初の下げが、「びっくり型」であるのに対し、次に来る下げは「実体悪化型」の場合が多いのです。少ない売物でも実体悪化に伴って大きく下げる可能性があるのです。油断はできません。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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