東京都の生食肉扱い施設への調査、68.7%が衛生基準に不適合

2011年6月7日 19:55

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 東京都は7日、焼き肉チェーン店での集団食中毒事件を受けて実施した緊急調査の結果を発表した。調査によると、生食用食肉を取扱っている施設のうち、衛生基準通知に適合しない施設が68.7%にのぼった。

 都によると、牛ユッケなど、生で牛肉を提供していた飲食店の多くでは、生食用として販売されていたものではない原料肉を仕入れ、生食用に加工・提供していたことが判明したという。一方、馬刺しなど、生で馬肉を提供していた飲食店の多くでは、食肉処理の段階で生食用に加工されたものを原材料として使用していた。

 このため、牛肉と馬肉では衛生基準の適合割合に大きな差があり、馬肉では衛生基準に不適合だったのが57.8%だったのに対して、牛肉では99.5%が不適合だった。

 飲食店の調理段階での不適合事項としては、「肉表面の細菌汚染を除去できるようなトリミング処理ができていない」が51.4%、「器具の洗浄消毒を、衛生基準で示された83度以上の温湯で行っていない」が49.5%、「生食用専用の調理器具を用いていない」が18.6%の施設で該当した。

 都では、食肉処理業者、食肉販売業者に対しては適切な生食用食肉の加工や表示について指導し、飲食店に対しては適正に加工された原料肉を仕入れ、専用の器具を用いて調理するよう指導していくとしている。

 今回の調査では、15万1,772件の営業許可施設のうち、7,129施設で調査を実施。そのうち、生食用食肉(牛肉・馬肉)の取扱いがある施設は1,049件で、全体の14.7%だった。内訳では、飲食店が842件、食肉処理が53件、食肉販売が154件となっている。そのうち、飲食店は661件(78.5%)、食肉処理は11件(20.8%)、食肉販売は49件(31.8%)で衛生基準通知に適合していなかった。

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