各方面に波紋!大畠国交大臣が「リニア中央新幹線建設を積極指示」

2011年6月1日 10:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

大震災の発生から3ヶ月が経とうとしているが、復旧、復興はままならず、与党民主党の幹部である安住淳国会対策委員長(宮城選挙区)ですら、「ガレキの処理はいまだ20%」と嘆く有様。

大震災の発生から3ヶ月が経とうとしているが、復旧、復興はままならず、与党民主党の幹部である安住淳国会対策委員長(宮城選挙区)ですら、「ガレキの処理はいまだ20%」と嘆く有様。[写真拡大]

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■肝心なことは「大震災の復旧、復興事業」との声

  大震災の発生から3ヶ月が経とうとしているが、復旧、復興はままならず、与党民主党の幹部である安住淳国会対策委員長(宮城選挙区)ですら、「ガレキの処理はいまだ20%」と嘆く有様。そんな中、JR東海はかねてから開発を進めてきたリニア新幹線の運転開始・開業を「前倒し」すると発表、各方面に波紋を呼んでいるが、担当大臣である国土交通省の大畠大臣は5月27日の定例記者会見において、次のように発言した。

  「本日、中央新幹線の建設の指示の文書を事務方からJR東海に交付したいと考えているところであります。確かに、この課題については、いろいろな御意見を頂いていることは事実であり、国土交通委員会でも質疑がございました。今回の大震災の対応に全力を挙げれば良いのではないか、リニアについては少しトーンを落としてという御意見もございました。大震災で日本国内はなんとなく未来に対する期待というものが少し薄れているわけでありますが、私としては、このリニアを前に進めることによって、日本の未来に対する展望と言いますか、夢と言いますか、そういうものを指し示す一つの事業としては大変大事だろうと思っておりまして、そういうことから前に一歩進めることにしたということでございます」

  国としてはリニア新幹線建設に積極的に乗り出す意向を明らかにしたということだ。また、先のJRの「前倒し」発言は、国交省のこの積極姿勢を背景になされたことになるが、これは明らかに発表の順序が逆だ。さらに、リニア新幹線の安全性については今後、原発事故とは別の角度から厳しい検証が求められることになろう。何しろ、内陸部とはいえ、30年以内にマグニチュード8以上の大地震が87%の確率で起きるという、真っ只中を走らせるわけだからだ。しかし、大畠大臣からは、そのような安全性についての発言は皆無だったし、さらに、次のように整備新幹線についても「超楽観的な」な見通しを述べていた。

  「整備新幹線の未着工区間についても、2050年、2100年とか先を見て仕事をしようと。 今日の大震災の対応ということも本当に大事な仕事でありますが、同時に、私たちは、国民の皆さんの命と暮らしを守るということと同時に、その国の基盤というものを造る仕事をしているわけであります。そういう意味で、将来を展望して、2050年、あるいは2100年に、どのような日本の地域社会を支える交通網、鉄道や道路を含めた交通のネットワークをどうするのかということをしっかりと踏まえて、いろいろな施策を行うことが必要でありますから、そういう観点から、この未着工区間も含めて、一つの展望というものを、あるいはビジョンというものを持ちながら前に進めることが必要だと思います」

  リニア新幹線もいいが、それより今は「避難所」、「仮設住宅」そして「ガレキ処理」だろう。その手当ては大丈夫なのか。しっかりやっているのかと聞きたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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