来週の相場は2次補正の規模を睨む動き=犬丸正寛の相場展望

2011年5月27日 20:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(30日~6月3日)からの相場は、『第二次復興予算3~5兆円は売り、10兆円で買い』を、睨んだ展開だろう。

来週(30日~6月3日)からの相場は、『第二次復興予算3~5兆円は売り、10兆円で買い』を、睨んだ展開だろう。[写真拡大]

★3~5兆円なら売り、10兆円規模で買い

  来週(30日~6月3日)からの相場は、『第二次復興予算3~5兆円は売り、10兆円で買い』を、睨んだ展開だろう。

  日経平均は、5月2日に瞬間1万0017円と1万円台乗せがあった。これは、ビンラディン氏殺害でテロ終結見通しからNYダウが上伸したのに引っ張られた側面が強い。基本的には、日経平均は9400~9800円のボックス相場といえるだろう。3月の場中安値8227円に対しては15%程度上の位置にある。

  なぜ、戻り高値圏でモミ合っているのか? (1)復興特需で先行き日本経済の回復が期待できる。 (2)その回復を見込んで外国人投資家が3兆円近く買い越していることがある。外国人投資家の目から見れば、アメリカの景気に不透明感が台頭、中国など新興国にもインフレ懸念からアクセルは踏み込めない状態。EUにいたっては金融不安で危険な状況。

  そうした中で、日本は「震災の復旧・復興投資が確実」なわけだ。今、世界を見渡して、「投資が絶対的に増える国」は日本しかないといえる。もちろん、日本も財政状態は厳しいとはいえ、個人金融資産は1400兆円もある。先行き間違いなく経済、景気が上向く日本は、外国人投資家にとって、「非常においしい投資先」なのである。

  日本の投資家もこの点は百も承知している。問題は、いつボトムとなって回復に転じるかである。われわれ、日本の投資家は阪神淡路大震災で、「震災→経済悪化→景気ボトム→景気回復」のサイクルを体験済みである。

  とくに、阪神淡路大震災の時は1995年1月の震災発生からTOPIXが底打ちするまでに5ヶ月かかっていることは、よく知っている。今回も同じ期間とみれば8月頃が底打ちの目安となる。今は、まだ早いとわれわれ日本の投資家は見ているわけだ。

  しかも、政治がガタついている。サミット終了後には内閣不信任案が提出される可能性が強くなっている。福島第一原発の冷却水注入での中断、継続を巡って一貫性のない政府と東京電力の間柄。国民の間に不信感が強まっていることは間違いない。この点を野党は見逃さないだろう。

  こうした状況の中で第二次補正予算はどうなるのか。遅れるほど景気には悪影響となる。内閣総辞職と引き換えに予算成立も囁かれはじめている。仮に、その場合でも、「第二次補正予算の規模が3~5兆円だったら売り。10兆円規模でやっと買いだろう」とのマーケットの見方だ。関東も梅雨入りしたらしい。相場も政治もしばらくは、ジメジメが続きそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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