【読者と一問一答】もたついている復興関連株の本格的活躍はいつか?

2011年5月23日 18:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■今年8月底打ち後、来年に向け本格上昇

  【問い】 東日本大震災の復興相場に期待を持っています。しかし、動きは鈍く冴えません。今後、「復興関連株」の相場はどのようにみておけばよいのでしょうか。

  【答え】 2011年3月11日(金)午後2時46分に発生した東日本大震災によって、日経平均は発生直前3月10日の終値1万0434円に対し、3月15日(火)には場中安値8227円まで短期間に21.1%の急落となりました。そして、この安値から5月2日の1万0017円まで戻しています。3月15日の安値から5月2日の戻りまでの中心が復興関連銘柄の第一幕相場だったと想います。

  現在は第二幕相場入り前の休養場面と捉えることができるでしょう。とくに、第一幕相場では、復興関連と名がつけば、ほとんどの銘柄が買われました。現在は、真に強く有望な銘柄と、単なるムードで買われた銘柄の仕分け、ふるい落としが行われている最中だろうと想います。

  それなら、復興関連相場の第二幕相場はいつか。材料的には、第二次補正予算の具体化する時がきっかけとなりそうです。4兆円規模の第一次補正予算は成立し、第二次補正も早いのではないかと期待されました。しかし、今の状況では8月以降に先延びとなりそうで、これが、復興関連株を重くしています。

  視線を変えて、TOPIX(東証株価指数)の動きで阪神淡路大震災の時と比較してみます。なぜTOPIXか。それはTOPIXが復興関連などの内需株の動きをより濃く反映するからです。阪神淡路大震災は、1995年1月に発生、1月の高値1557ポイントに対し大底をつけたのは、発生から5ヶ月後の1995年6月の1181ポイントでした。そして、底打ちから1996年6月の1725ポイントまで1年上昇、上昇率は46.0%に達しています。

  これに当てはめると、今回のTOPIXの底打ちは2011年3月から5ヶ月後の8月という目安になります。仮に、8月頃に第二次補正予算が具体化するとすればタイミング的には一致します。

  もうひとつ、リーマンショックの時の動きにも似ています。2008年10月のリーマンショックの時、TOPIXの月足は、2011年3月と同じような長い下ヒゲ足でした。リーマンショックの時は、2008年10月の一番底に対し、5ヵ月後の2009年3月に二番底をつけて反発に転じています。今回も同じ長い下ヒゲ足ということで日柄5ヶ月目を当てはめるとTOPIXの二番底は8月となります。

  このように、阪神大震災の時の調整日柄と、リーマンショック時の調整日柄を当てはめると「8月」頃が転機となりそうです。そして、底入れしたTOPIXは向こう1年、上昇が期待できます。この局面が復興関連相場の第二幕であり、本番とみることができます。今年の暑い夏を過ぎれば有望な復興相場が展開されるでしょう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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