幼児活動研究会の教育現場を見学=犬丸正寛の見聞記

2011年5月6日 13:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

幼児活動研究会<2152>(JQS)が運営する『YY塾』の五反田校を見学した。筆者も、同じ年頃の孫を持つ身として、幼児教育には、強い関心を持っている。頼み込んで実現した。

幼児活動研究会<2152>(JQS)が運営する『YY塾』の五反田校を見学した。筆者も、同じ年頃の孫を持つ身として、幼児教育には、強い関心を持っている。頼み込んで実現した。[写真拡大]

★「文武両道」のかつての日本の良さを見た思い

  幼児活動研究会 <2152> が運営する『YY塾』の五反田校を見学した。筆者も、同じ年頃の孫を持つ身として、幼児教育には、強い関心を持っている。頼み込んで実現した。幼児たちの気が散らないよう離れたところから見学させてもらった。約2時間半。生き生きとした幼児たちの表情に、「日本の将来に光を見た」思いだった。

  幼児活動研究会は、1972年に山下孝一社長が立ち上げた会社。設立から今年で39年、2007年5月の上場から4年。今、われわれ国民の間に「日本の教育はこのままではいけない」との思いが強まり、「幼児期」からの教育の重要さが認識されている。創業から一貫して山下社長が情熱を注いできた「心の力」「学ぶ力」「体の力」を一体とした『人間力教育』が大きく花開いている。

  主力の事業は、『YY』教育の教師を全国の幼稚園・保育園などに派遣し指導料を得るビジネス。幼稚園・保育園の保育時間内(正課)に保育の一貫として体育授業を指導する。こうしたビジネスのスタイルを広く社会に知ってもらうため、昨年11月、同社自ら運営に乗り出したのが『YY塾』の東京・五反田校である。「21世紀の寺子屋です」(山下社長)ということだ。

  五反田校は本社のすぐ近く。ビル内の1階と地下1階の2フロア。午後3時半。まず、年少さんのフロアへ。持ち運びのできる小さな机とイス。まさに、寺子屋のイメージだ。読み書きが終わると机、イスを片付けて体操になる。遠くからで、教材の内容は分からないが、全員が真剣に鉛筆を走らせている。だらだら、とした子供はひとりとしていない。

  次に、地下へ。ここでは年長さんの体操の授業中。マットを使っての空中回転の練習、そして、床に手をついての回転、さらに、跳び箱。最初は4.5段から始まって8段、9段。さすがに、ここまで高くなると全員が跳べるわけではない。だが、へこたれない。先生と一緒にどこまでもチャレンジする。目に手を当てる子もいる。できないから照れ隠しに泣いているのではない、自分に対し悔しくて泣いているというのだ。そして、飛び越えたときの嬉しそうな顔。「この達成したときの喜びこそが幼児教育の基本です」と山下社長は強調する。体操が終わった年長さんは一階の教室に登って読み・書き・計算の授業に交代。かわって、年少さんが地下に下がって体操の授業になる。

  教材について先生に聞いた。「読み書きはカタカナ・ひらがなの文字を練習しながら目的をもって学んでいきます。必要に応じて、別ノートに文字練習も行っていきます。計算では教材は1~8冊まであり計算の基礎を養います。段階を追っているテキストなので子供たちで楽しく進められるテキストです。そして、そろばんにも入ります。こうした読み書き計算が、自らの手で先に進めるから楽しく学習できます」と女性教師の目も幼児たちに負けないほど輝いている。

  ご苦労なことはありませんか。「苦労と思ったことは、まったくありません。むしろ、つらいことといえば、口を出したくなることを我慢することです」と微笑む。そうなのだ。口を出し過ぎないように、幼児たちの「自主性」を大切していることがこの『YY教育』の基本なのである。

  この点を山下社長にもう少し聞こう。「日本は戦後、すばらしい経済成長を遂げました。しかし、その一方で日本の社会は自己中心的なわがままな人間をつくってしまいました。知識中心の教育だけでなく、もういちど倫理観、道徳観を身につけさせる教育が大切です。そのためには、<人間形成の約90%が幼児期で決まる>と言われるように幼児期の教育が大変大切です」。

  どうして、社名に<活動>とついているのですか。「動物だって生まれたらすぐに動き始めるようになります。人間だって同じです。子供はもともと体を動かして動き回りたいのです。それを止めてしまうと子供たちの持っている可能性を摘んでしまうことになります。学び、体を動かすという活動によって子供たちの持っている可能性を引き出すことが<YY教育>の基本です。学校とは違います。英才教育でもありません。30人いれば30通りのやり方があるように、ひとりひとりに能力の差があります。だから、その子にできることを環境設定してあげるのです。子供の性格などを理解した上でその子に合わせた指導をしていきます。そして、壁にぶつかり自分で乗り越えたからこそ力になり自信につながるのです。子供たちが自分で考えられるような環境を与えることが指導員の役割です」(山下社長)。既に、同社が指導している園は昨年9月中間期末では823園(10年3月期は784園)に達している。そのうちYY教育を取り入れている園は、約200園です。

  このほか、保育時間の終わった後に希望者に課外活動として専門的な体育指導も行っている。コスモ・スポーツクラブ、コスモ・サッカー・クラブ、新体操クラブなどを運営。9月中間期では実施会場数787ヵ所、会員数は4万3359名に達している。

  『YY』とは女子プロゴルファー横峯さくらプロのおじさんの横峯吉文氏が開発した教育法。同社が提携し取り入れ、横峯氏のY、山下社長のYを採ってつけている。

  そして、授業の締めくくりは、鍵盤ハーモニカの演奏と最後に歌った「仰げば尊し」の合唱。とても、幼児「とは思えない立派なものだ。筆者はつい夢中で、静かに見学しなくてはいけないことを忘れて、思わず拍手した。それに、微笑んでくれた幼児たちのすがすがしい態度が目に焼きついている。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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