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地熱発電特集(2):地熱資源大国「日本」の地熱資源量は原子力発電所20基分以上
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、あらためて太陽光発電、風力発電、地熱発電など、二酸化炭素(CO2)排出量が少なく再生可能な自然エネルギーの重要性が認識されている。[写真拡大]
■火山国の日本は世界第3位の地熱資源大国、政策面の支援も始動
火山国の日本は、インドネシア、米国に次ぐ、世界第3位の地熱資源大国と言われ、試算によると約2500万キロワット相当(原子力発電所20基分以上)の地熱資源量があるとされている。
しかし現在、国内の地熱発電所は18地点で、合計の発電設備容量は約54万キロワット(火力発電所1基分程度)の稼働にとどまっている。そして、日本の総発電設備容量に占める地熱発電の割合は1%未満に過ぎず、埋蔵地熱資源量に対しても僅か2%強しか使用していないことになる。
また、国内の地熱発電所の新規立地は、1999年に運転を開始した東京電力・八丈島地熱発電所が最後となっている。国内で地熱発電所の新規開発が停滞している背景には、発電コストの高さや、立地面・規制面での制約などの問題がある。
■政府は地熱発電の普及を促進する方針を打ち出す
地熱発電所は、環境影響評価(環境アセスメント)対象となっているため、地元との調整も必要となり、熱源調査(地熱貯留層の探査)から建設まで、新設には10年以上の期間を要する。探査費用などの初期コストが高いことも特徴で、探査結果次第では適正な地熱資源量が得られないリスクもある。
また、1カ所で開発できる発電規模が小さい(通常は1万~5万キロワット)ため、1キロワット時当たりの発電コストが、火力発電所と比べて高いことが新規開発のネックとなっている。さらに、有望な地熱資源の約8割が、国立・国定公園などの自然公園内にあるため、掘削開発に対する規制が多い。こうした立地面での制約や、規制緩和などの政策支援の遅れも、地熱発電所の新規開発が停滞している要因である。
しかし、政策面での支援も動き出している。政府は、地熱発電所の建設費に対する補助金引き上げや、再生可能エネルギーの全量買い取り制度の導入などで、地熱発電の普及を促進する方針を打ち出し、地熱開発の実質的な規制となっている自然公園法や温泉法の見直しにも着手する方針だ。
環境省は、国立公園内の地下深部にある有望な地熱資源の利用を、公園区域外から公園内に向かって斜めに掘削し、パイプを通して地熱資源を回収するという、条件付きの手法を認めることを検討している。アイスランドなどで実用化された例もあり、景観を損なわずに地熱資源の利用が可能となる。掘削技術の開発も支援する模様だ。
【参考:主な地熱発電関連銘柄一覧】 日鉄鉱業 <1515> (東1)=発電所 東京エネシス <1945> (東1)=プラント工事 日揮 <1963> (東1)=プラント工事 太平電業 <1968> (東1)=プラント工事 東芝プラントシステム <1983> (東1)=蒸気タービン 三菱ガス化学 <4182> (東1)=システム 出光興産 <5019> (東1)=発電所 JXホールディングス <5020> (東1)=発電所 新日本製鐵 <5401> (東1)=発電所 ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> (東1)=プラント、タービン 三菱マテリアル <5711> (東1)=発電所 鉱研工業 <6297> (JQS)=掘削機械 酉島製作所 <6363> (東1)=プラント、ポンプ 日立製作所 <6501> (東1)=タービン 東芝 <6502> (東1)=タービン・発電機 富士電機ホールディングス <6504> (東1)=タービン・発電機 三井造船 <7003> (東1)=タービン 三菱重工業 <7011> (東1)=タービン・発電機 伊藤忠商事 <8001> (東1)=プラント 丸紅 <8002> (東1)=プロジェクト 兼松 <8020> (東1)=プロジェクト 住友商事 <8053> (東1)=プロジェクト 三菱商事 <8058> (東1)=プラント 西華産業 <8061> (東1)=プラント、タービン 神鋼商事 <8075> (東1)=タービン 東京電力 <9501> (東1)=発電所 東北電力 <9506> (東1)=発電所 九州電力 <9508> (東1)=発電所 北海道電力 <9509> (東1)=発電所 J-POWER <9513> (東1)=発電所 応用地質 <9755> (東1)=地質調査 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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