地熱発電特集(1):地熱発電はCO2排出量が少なく再生可能な自然エネルギー

2011年5月5日 18:28

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、あらためて太陽光発電、風力発電、地熱発電など、二酸化炭素(CO2)排出量が少なく再生可能な自然エネルギーの重要性が認識されている。

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、あらためて太陽光発電、風力発電、地熱発電など、二酸化炭素(CO2)排出量が少なく再生可能な自然エネルギーの重要性が認識されている。[写真拡大]

■天候の影響を受けず、安定的な出力が得られる地熱発電

  東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、あらためて太陽光発電、風力発電、地熱発電など、二酸化炭素(CO2)排出量が少なく再生可能な自然エネルギーの重要性が認識されている。

  こうした再生可能な自然エネルギーの中でも、地熱発電は、雨水などがマグマに加熱されて地下深部(通常は地下1000~3000メートル)に貯えられた高温の熱水を利用するため、燃料枯渇や燃料価格高騰の心配がなく、太陽光発電や風力発電など他の再生可能な自然エネルギーと比べても、天候の影響を受けず、気象条件、季節、時間帯を問わずに、安定的な出力が得られるという特徴を持っている。今後の注目テーマとなるだろう。

■バイナリー地熱発電(温泉発電)の実証実験がスタート

  日本の地熱発電所の大部分では、坑井を通して地下から取り出した高温の熱水を、蒸気と熱水に遠心分離し、分離した蒸気でタービンを回して発電機を駆動させるという、シングルフラッシュ発電方式が主力となっている。通常はセ氏200度以上の高温熱水を利用する。分離した熱水と、発電に利用した蒸気を冷却したもの(蒸気凝縮水)は地下に戻され、地下深部でマグマによって再び加熱される。

  この他の発電方式としては、アンモニアなどの低温でも沸騰する二次媒体を使うバイナリー発電方式もある。バイナリー発電方式は、セ氏80~100度という比較的低温領域の地熱資源に対応し、高温型のシングルフラッシュ発電方式よりも小規模な設備で発電できることも特徴だ。

  バイナリー発電方式では、既存の温泉(セ氏70~120度)を利用できるため、新潟県十日町市の松山温泉では2010年10月、温泉を発電に利用する全国初の試みとして、バイナリー地熱発電(温泉発電)の実証実験がスタートした。温泉の熱水は発電に利用された後、冷却してセ氏50度程度にまで下がるため、旅館などで浴用として利用できるという。

【参考:主な地熱発電関連銘柄一覧】  日鉄鉱業 <1515> (東1)=発電所  東京エネシス <1945> (東1)=プラント工事  日揮 <1963> (東1)=プラント工事  太平電業 <1968> (東1)=プラント工事  東芝プラントシステム <1983> (東1)=蒸気タービン  三菱ガス化学 <4182> (東1)=システム  出光興産 <5019> (東1)=発電所  JXホールディングス <5020> (東1)=発電所  新日本製鐵 <5401> (東1)=発電所  ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> (東1)=プラント、タービン  三菱マテリアル <5711> (東1)=発電所  鉱研工業 <6297> (JQS)=掘削機械  酉島製作所 <6363> (東1)=プラント、ポンプ  日立製作所 <6501> (東1)=タービン  東芝 <6502> (東1)=タービン・発電機  富士電機ホールディングス <6504> (東1)=タービン・発電機  三井造船 <7003> (東1)=タービン  三菱重工業 <7011> (東1)=タービン・発電機  伊藤忠商事 <8001> (東1)=プラント  丸紅 <8002> (東1)=プロジェクト  兼松 <8020> (東1)=プロジェクト  住友商事 <8053> (東1)=プロジェクト  三菱商事 <8058> (東1)=プラント  西華産業 <8061> (東1)=プラント、タービン  神鋼商事 <8075> (東1)=タービン  東京電力 <9501> (東1)=発電所  東北電力 <9506> (東1)=発電所  九州電力 <9508> (東1)=発電所  北海道電力 <9509> (東1)=発電所  J-POWER <9513> (東1)=発電所  応用地質 <9755> (東1)=地質調査 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
LED照明関連銘柄特集(1)=節電対策の本命!LED照明の需要が急拡大(2011/05/03)
【注目銘柄】クリーンエネルギーのLNG関連銘柄に注目!=中西文行氏(2011/05/03)
犬丸正寛の『時を買え投資法』で着実に稼ぐ、メールマガジンが創刊!シンプルに銘柄を紹介(2011/02/02)
日刊株式投資情報新聞(無料)が創刊!株式投資のための投資情報メルマガがスタート(2011/02/26)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事