私大新入生の家計負担調査、仕送り額の平均は9万1600円で過去最低

2011年4月27日 17:20

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 東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)は26日、2010年度の私立大学新入生の家計負担調査を発表した。同調査によると、出費が落ちつく6月以降の仕送り額(月平均)は9万1600円で、前年の9万3200円を下回り、過去最低。1994年のピーク時(12万4900円)より3万3300円減少した。不景気のあおりを受け、学生を支える家計の負担が大きくなっていることを裏付ける結果となった。

 また、家賃の平均は6万1100円で前年比1600円増。仕送り額の月平均に占める家賃の割合は66,7%となり、1986年度のデータ以来、過去最高だった。家賃をのぞいた生活費は3万500円で、1日当たりでは1067円。ピーク時(1990年度)の半分以下となる。同教連は、「不足する生活費は、アルバイト等の収入でおぎなっていることが推察される」とコメントしている。

 仕送り額の減少に伴い、奨学金の申請者が増加。全体平均で6割を超え、調査以来、過去最高。年収が低いほど申請者が高くなる傾向がみられた。世帯の税込年収は、全体平均が885万5000円で、1989年以来20年ぶりに800万円台となった昨年に続き2年目となる。世帯の年収は年々減少傾向にあることがわかった。

 自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」は298万9246円。自宅外通学者世帯の税込収入に占める『入学の年にかかる費用』の割合は34.0%で、年収の3分の1を占め、家計負担の大きさを示した。このことに伴い、入学費用を「借入れ」した家庭は20.2%で、5人に1人の割合。借入額の全体平均は157万9000円で、前年と比べ2000円増額した。受験から入学までの費用の負担感は、9割を超える家庭で「重い」(「たいへん重い」と「重い」の合計)と感じているという。

 調査は、1都5県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)にある18大学・短大に入学した新入生の家庭(保護者・父母)を対象に、昨年5月から7月にかけて実施された。6181件を回収し、有効回答は6166件で99.8%だった。

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