「自販機不要論」が説得力を強めればコンビニ株に再来余地=浅妻昭治

2011年4月18日 15:33

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

3月期「1000年に一度の巨大地震・巨大津波」である。時計の針は、発生した3月11日の午後2時46分で停止したままのようだ。無理もない。巨大津波で冷却機能を喪失した東京電力<9501>(東1)の福島第一原子力発電所の事故処理は遅れに遅れて放射性物資の放出が止まらず、事故評価は、最悪の「レベル7」に引き上げられた。しかも、余震の頻発である。

3月期「1000年に一度の巨大地震・巨大津波」である。時計の針は、発生した3月11日の午後2時46分で停止したままのようだ。無理もない。巨大津波で冷却機能を喪失した東京電力<9501>(東1)の福島第一原子力発電所の事故処理は遅れに遅れて放射性物資の放出が止まらず、事故評価は、最悪の「レベル7」に引き上げられた。しかも、余震の頻発である。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

■自販機不要論で2008年taspo導入以来の追い風到来

  「1000年に一度の巨大地震・巨大津波」である。時計の針は、発生した3月11日の午後2時46分で停止したままのようだ。無理もない。巨大津波で冷却機能を喪失した東京電力 <9501> の福島第一原子力発電所の事故処理は遅れに遅れて放射性物資の放出が止まらず、事故評価は、最悪の「レベル7」に引き上げられた。しかも、余震の頻発である。余震のたびに、あの11日の恐怖感に引き戻され、身震いが止まらない。

  株式市場も、あの本震後の14日、15日のリスク回避売りによる急落分は取り戻したものの、いまだに「巨大地震・巨大津波」を巡って堂々巡り、一進一退を繰り返している印象が強い。復旧・復興関連のマリコン(海上土木)株、仮設住宅株を買い、放射性物質関連のミネラルウォーター株、ヨウ素関連株、線量計株、土壌浄化株に物色を広げ、計画停電・電力使用削減関連の電池株、分散型電源株、LED株に移行するなど、関連株の循環買いを続けてきた。

  原発事故が収束するまではこの循環物色が続くとしたら、次の注目セクターとしてはコンビニ株が浮上する相場シナリオも検討の余地がある。理由は、例の東京都知事選挙で4選を果たした石原慎太郎知事の当選インタビュー時の発言である。石原都知事は、過剰電力消費の悪玉として、自動販売機とパチンコ店を槍玉に挙げたからである。なかでも自販機は、「軒並み自販機が並んでいるバカな国は、世界中にない」と「自販機不要論」の決定打を放って決め付けた。

  かつては、売り上げ金額とつり銭を内蔵したままの自販機を屋外に設置できるのは、それだけ治安が良好な証と日本の美点に挙げる議論もよくされたものである。しかし、自販機2台で家庭1軒分の電力消費量に匹敵し、東電管内の自販機87万台の最大消費電力は、福島第一原発1号機の出力の半分に達すると傍証を並べられれば、夏の電力ピーク使用量を25%削減しようとする需給調整時に、自販機不要論は、それだけ説得力を持ってくる。早速、自販機関連の工業会や飲料メーカーが、24時間照明の消灯や夏の電力不足時の冷却運転停止などの節電努力のPRをしたが、石原発言は、風評被害以上の影響力を与えるのは想像に難くない。

  猛暑時に冷たい清涼飲料が自販機で買えない、あるいは自販機での購買を控える消費者が増えるとして、ではどこで買うかとなれば、手近のコンビニ店となるはずである。コンビニ業界にとっては、2008年のtaspo(成人識別ICカード)導入、猛暑、昨年10月のたばこ税引き上げに続く追い風到来となる。

  2月期決算の発表を終わったばかりのコンビニ株は、セブン&アイ・ホールディングス <3382> 、ローソン <2651> 、ファミリーマート <8028> 、ミニストップ <9946> と大震災による店舗被災損失などを除けば今期業績の実質連続増益を予想している。2008年型の相場展開となるか、2009年型となるか天候次第だが、待ち伏せ買いも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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