探査機あかつきが太陽に最接近、温度を下げるために姿勢を変更

2011年4月14日 17:31

印刷

記事提供元:スラド

  rxk14007 曰く

 昨年の12月に金星の軌道投入に失敗して太陽を周回している探査機あかつきの現状について、JAXAから発表があった(JAXAのプレスリリース時事通信の記事)。

 軌道が当初の想定より内側になったために、探査機が浴びる太陽熱は設計値の2,800W/mを超え最大で3,655W/㎡へ増加すると予想され、厳しい状態となっているとのこと。

 3月10日には探査機の+Z推進弁の温度が設計仕様の70℃を超えたため、3月15日に探査機の姿勢を変更することで許容値以下まで温度は低下した。ただしこの姿勢変更により、大容量のデータ通信に必要な高利得アンテナの向きが変わったため、探査機の運用に一部制限が必要な状態となっている。

 JAXAでは引き続き、4月17日の近日点通過に向けて熱の影響を最小限に抑える運用に集中していくとしているが、探査機の表面や部品が許容温度を超えてしまう可能性や、断熱材が劣化する恐れがあり、これからも困難な運用が続いていくものと思われる。

 それでもJAXAの関係者の奮闘により、再度金星軌道へ投入可能なところまで「あかつき」を導いてくれることを期待したい。

 スラッシュドットのコメントを読む | 宇宙

 関連ストーリー:
JAXA、あかつき再投入を1年早める計画を検討中 2011年01月05日
「あかつき」の軌道投入失敗、原因は燃料系逆流防止バルブが開かなかったため 2010年12月27日
JAXA、あかつきを金星周回軌道に乗せられず 2010年12月08日
金星探査機 あかつき と ソーラーセイル実証機 IKAROS、明朝打ち上げ 2010年05月17日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事