対ロシア外交の立て直し役で期待高まるトヨタブランド=犬丸正寛

2011年2月20日 14:40

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

『対ロシア外交ではトヨタブランドが力を発揮する』――。こんな見方が囁かれている。前週後半、トヨタ自動車<7203>(東1)がロシア極東のウラジオストクで多目的車(SUV)を年間3万台生産すると伝えられた。トヨタ側からは肯定も否定のコメントは出てない。

『対ロシア外交ではトヨタブランドが力を発揮する』――。こんな見方が囁かれている。前週後半、トヨタ自動車<7203>(東1)がロシア極東のウラジオストクで多目的車(SUV)を年間3万台生産すると伝えられた。トヨタ側からは肯定も否定のコメントは出てない。[写真拡大]

■ロシア外交立て直しの担い手

  『対ロシア外交ではトヨタブランドが力を発揮する』――。こんな見方が囁かれている。前週後半、トヨタ自動車 <7203> がロシア極東のウラジオストクで多目的車(SUV)を年間3万台生産すると伝えられた。トヨタ側からは肯定も否定のコメントは出てない。しかし、「あれだけの大きな外交案件の絡む材料に何も背景がないとは考え難い、おそらく、経団連あたりの意向が働いているとみるのが妥当だろう」(中堅証券)。

  言うまでもなく、今の日ロ関係は最悪。とくに、日本にとって、北方領土返還の希望は遠のくばかりだ。ロシアは、北方領土に中国や韓国企業を誘致するとまで言い出している。そうなれば、先々の領土交渉はますます難しくなる。その一方でロシアは日本に経済関係の協力強化を求めてきている。誘いに応じないと関係は、一層ギクシャクする。しかし、今の日ロ外交関係を考えれば、日本政府は表立って動くことはできない。

  そこで、登場となったのがトヨタということだ。「世界ブランドのトヨタならロシア政府にとってもメンツは十分に立つはず」(同)。

  鳩山政権下で、こじらせた日米関係が主因となって、中国との尖閣諸島問題に発展し、さらに、ロシアとの間では北方領土問題で最悪状況になっている。「日本国民の多くは民主党政権では外交はダメだと思い知らされたはず。4島の同時返還どころか、このままでは1島も返って来なくなる心配がある。ほとんどの国民は、がっかりしているはず。政治がだめなら経済の出番。おそらく、経団連あたりは次の政権を読んだ動きをしているのではないか。トヨタブランドに掛けられた期待は大きい」(同)。

  民主党政権の対米外交の失敗で、トヨタがアメリカで生贄にされた感がある。最近、米政府のトヨタに対する技術の優秀さ発言で、トヨタの名誉は回復され、むしろ高まった。そのトヨタが今度は対ロシア外交立て直しの大切な役割と期待を背負っているのかもしれない。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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