リチウムイオン電池の部材市場、10年度は21%拡大

2011年1月14日 18:21

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主要四部材の世界市場規模推移を示すグラフ(出典:矢野経済研究所「リチウムイオン電池主要4 部材世界市場に関する調査結果 2010」)

主要四部材の世界市場規模推移を示すグラフ(出典:矢野経済研究所「リチウムイオン電池主要4 部材世界市場に関する調査結果 2010」)[写真拡大]

 矢野経済研究所が14日発表した調査結果によると、2010年度のリチウムイオン電池主要4部材(正極材、負極材、電解液、セパレーター)の世界市場の推定規模は前年度比21.2%増の3,666億円だった。景気回復に伴いスマートフォン、タブレットPCなどモバイル機器の需要が堅調だったことや、車載用リチウムイオン電池の出荷が開始されたことが市場拡大に寄与した。

 同社によると、10年度は景気が回復の効果でリチウムイオン電池市場が全体的に拡大した。特に携帯電話ではスマートフォン、ノートPCではタブレット型PCの需要が継続して堅調であり、これを受けてリチウムイオン電池需要も増加している。

 また、10年度は車載用リチウムイオン電池を中心とした中・大型LIBも徐々に市場が立ち上がり始めた。特に電気自動車(EV)は今後、各自動車メーカーからの販売が本格化される見込みで、リチウムイオン電池部材の需要を押し上げているという。

 国別の動向では、リチウムイオン電池市場で日系メーカーが優位だった市場構造が変化し、3カ国の競争が激化している。部材市場でも日系メーカーと韓国、中国メーカーの市場でのシェア差が縮まって来ており、出荷金額ベースでは、08年度は日系メーカーのシェアが66.0%、中国は13.9%、韓国は12.2%であったが、10年度には日系メーカーが55.9%、中国が23.0%、韓国は13.8%と、日系メーカーと中国、韓国メーカーのシェア差が縮まっている。

 同社は今後の市場の見通しとして、11年度の市場規模は前年度比17.0%増の4,290億円、12年度は前年度比21.1%増の5,196億円になると予測している。

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